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「ずはさん、まだ時間あんの?」



「んー、少し」



「あっちにみんないるよ」



「…行けってこと?」





そうふわっちに目を向けると、にぱ、と笑われた。まぁ、行ってもいいけどさ。





「今何本撮ったん?」



「4本」





なんて話をしながら、部屋の前まで行く。扉の向こうから楽しそうな声がする。





「…お、葛葉じゃん!」





最初に俺に気づいたのはもちさん。その声で、社長と甲斐田も俺を見る。



よっす、なんて右手を上げれば、社長が気遣って俺の分の椅子を出してくれた。椅子が一つ多いのは、まだ誰かいいるんだろうか。





「葛葉さんは何をしに?」



「ふわっちに誘拐された」




「うわ、人聞き悪い、みんないるよって言ったら来たんだよ」



「いいや、誘拐だね」





小さい言い争いをしていると、部屋の扉が開いてうるさい声が聞こえてきた。





「買ってきた!もーなんで俺がこんなこと…、あれ、葛葉くん!」



「お、三枝師匠」





どうやら、もう一つの椅子は三枝師匠のものだったらしい。手に持つビニール袋の中には、俺を除いた人数分の軽食。パシリにでもされていたのだろうか。



はい、これー、と言いながら一人ひとりに軽食を渡す三枝師匠を見る視界の端にはトランプ。どうやら、トランプで負けたらしい。





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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時

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