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「行ってきまーす」
「あーい。気を付けて」
今日は平日、閃ちゃんは仕事へ。玄関まで見送れば、戸締りちゃんとな、と言われて玄関の扉がしまった。
俺を何歳だと思ってるんだ、と言ってやりたくなったが、確かに鍵をかけ忘れたこともあるから言い返せない。
「よし、行くかぁ」
俺は今日本社だし、簡単に着替えていかないと。前に行ったときは不安な気持ちでいっぱいだったけど、今は特に何も思っていない。なんの打ち合わせだったかなぁ、くらい。
今日は暑いからと、帽子を被っていくことにした。暑いけど、長袖なんだよなぁ、年中。
以前のように電車に乗り何駅か過ぎれば、何人かの人に紛れて降りる。そこから少し歩いて、やっと本社にたどり着いた。
眠いなぁ、と大きな欠伸をすると、廊下に置かれたベンチの前、自販機の横に見知った顔があった。
「んお、何してんの」
「…ん?お、ずはさぁん!俺今休憩中!」
「ふーん、なんの?」
「ろふまお!」
「ああ、収録?」
「そー、あと2本ね」
「大変だな、がんばれよ」
「ずはさんは?何してんの?」
「打ち合わせ」
自販機の横にいたのはふわっち、デジャヴか何か、以前もちさんと会ったときもろふまおの収録だって言ってたなぁ。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時