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「ドライヤーしといでよ」
「ん〜…眠いから無理、もう寝る」
「髪ばっさばさになるよ」
「いい」
風呂上り、いつもよりも風呂で騒いだからか、少し疲れてしまった。パンツだけを履いた状態で、ごろん、とソファに寝転ぶ。髪はもちろん、濡れたまま。
「ソファ濡れるから、とりあえず起きて」
「んがぁ〜」
閃ちゃんに起こされてとりあえず起き上がる。もう眠いのに、別に髪なんて短いしほっといても乾くのに。なんて思いながら、わしゃわしゃと頭をタオルで拭いた。
ほら、と渡されたアイスを嬉しそうに頬張り、きーん、と頭が痛くなる。冷たくて美味しいアイスの証拠なんだけど。
くあ、と大きな欠伸をすれば、不意にTwitterを開いてみた。いつも通りのアカウントに、あんなことがあったのに減らないフォロワー。
恵まれているんだろうけど、100万人のファンに2年間も嘘をついていたことの罪悪感が抜けない。
「…サーシャ?」
「ん?」
「なんか、ぼーっとしてるから」
「別に、大丈夫だけど」
「…ふーん」
たぶん、明日からは普通に配信ができると思う、たぶん。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時