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「風呂入るぞー」
「待って、シャンプーもうないんだって」
家に帰って、オムライスを食って、叶が帰っていった。やっと2人になれたな、なんて思いながら、少なくなったシャンプーを詰め替えようと棚を漁る。
シャンプーやボディソープにこだわりがない閃ちゃんは、俺と同じものを使っている。
よく見慣れたピンク色のパッケージを引っ張り出せば、これまた同じピンク色のボトルに注いでいく。
「…サーシャ、もう風呂に入るからって全裸でシャンプー詰め替えすんのはやめてほしい」
「え?だってもう入るじゃん」
「いやそうだけど…。…ま、いいか」
風呂はいつも2人一緒に入っている。節水できるし、ゆっくり話すことができるから。まぁ、風呂じゃなくても2人なんだけど。
ふと近くにあった携帯に目を向けると、そうだ、と思い立った。
「風呂入りながらツイキャスしようぜ」
「は?」
あんなに配信できるか不安に思っていたのに、なんだか楽しくなってきてしまった。
いいよ、と渋々ながら承諾をもらえれば、ちゃぷん、と湯舟につかりながらツイキャス配信を始めた。すぐに視聴者は集まり、コメントが増えてきた。
ほんの少し不安な気持ちはあったけど、コメント欄はいつも通り楽しそうなものばかりで安心した。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時