今日:32 hit、昨日:24 hit、合計:70,361 hit
小|中|大
20 ページ22
-
「2年記念日さあ、まだ行けてないから今度行こうよ。温泉旅行とかどう?」
「お、いいね〜。今度こそ俺が計画立てるわ、車出してくれるし」
「頼んだ、1泊?2泊?」
「ゆっくりしたいなら2泊だけど、1泊でもいいよ」
「んー、まあ1泊でいいか。別に人生最後の温泉旅行なわけでもないし」
繋いだ手をゆらゆらと揺らしながら、いつもよりもゆっくりと足を進める。
温泉旅行、なんて話をしながら声を弾ませ、ご機嫌になってしまった。
裏道を通っているから人の目も気にならないし、何より今は機嫌がいい。
指先、掌、全てで感じる温もりが愛おしくて、嬉しくて、頬が緩んでいく。
まぁ、俺とこいつの寿命は違うから、今を大事にしないと、ていう気持ちもあるけど。
「あ、もう表道出るから」
「あ、うん」
ぱ、と手を離し、再び隣を歩く。
少し名残惜しかったのは、内緒。
-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
374人がお気に入り
374人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時