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「葛葉ん家行きたい」



「…聞かないとわかんないよ」





にやにやとしながら俺の家に行きたいという叶に、俺は嫌そうな顔をしてしまった。



人を家に呼ぶ時はあいつが居ない時間を選んで呼んでいたけれど、今は家にいる日。聞かないと分からない。





「彼氏?」



「…そうだけど」





俺の事をバカにするような人では無いのはわかっているけれど、何とも嫌な態度をとってしまった。



携帯を取り出してメッセージを送るも、5分経っても返事が来ない、今日は休みのはずだけど。



何も喋らない叶と、携帯を見つめる俺。いたたまれなくなって、電話をかけた。



3コールくらいして、もしもし、と声が聞こえた。





「ごめん、昼飯作ってた。どした?」



「今叶といるんだけど、家行きたいって」



「あー、いいよ。叶くんも昼飯食べるかな」



「食べるかも、聞いてないけどたぶんあれば食べる」



「じゃあ、カレーだから白米多めに炊いとくね。俺居ない方がいい?」





右耳から聞こえるその言葉に、ちら、と叶を見た。



きっと、叶は2人を相手に話したいのだと思えば、そのまま居て、と伝えた。





「ん、気をつけて帰っといで」





そうして電話を切ると、行こ、と叶に声をかけた。



ご機嫌に隣を歩く叶を見ながら、牛乳のお使いを思い出した。





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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時

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