1 ページ3
-
「こーた、おい」
「んー?」
「お前今日休みか?」
「そうだけど、なんで?」
「準備しろ、出掛けんぞ」
「は?」
碧棺左馬刻、21歳。2つ上のこいつと付き合い始めて約2年。‥いや、あー‥、たぶん2年。
付き合ったといっても、ちゃんとした告白をした覚えはない。
『男に興味があるなら俺とかどう?』
『は?』
そんな会話でこうなってしまった。俺は男と付き合ったことも、男を好きになったこともない。もっと言うと男に興味があるなんて言ってない。
こいつ、笹川孝太郎は根っからの同性愛者であるようだが。
男に興味がなかった俺も、こいつと2年も一緒に居れば愛情も芽生えるもので。今では互いが互いに、大げさに言ってべた惚れ。
そんな俺は今日明日と休みをもぎ取り、こいつの休みを確認し外に連れ出そうと計画をしたわけだ。
「なに、あーちゃん。今日なんもないの?下っ端ヤクザのくせにぃ」
「うるせぇな、お前の知らねえところで昇格してんだよ。‥おいその汚ぇもんしまえよ」
「あんだよ、昨日はこれであんあん言ってたくせに」
「言ってねぇよ馬鹿か!さっさと服着ろこの変態ホスト!」
そう、認めたくはないが、夜では俺が下。つまりそういうことだ。
今日だって出掛けるから早く寝たかったのに俺の目の前でとぼけるこの全裸の男は‥。
いつか絶対に別れてやる。
‥そう思って、もう2年も経ってしまった。
-
116人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2018年9月7日 23時