episode195 忘れられた青年 ページ48
正常と思しき人間の悲鳴を聞き取り、ロビンは臆することなく扉を開いた。
そんな彼女の視界に入ってきたのは、多数のゾンビに囲まれる青年、中央にそびえ立つ巨大な柱、そして壁から突き出た突起を飛び回りながらケタケタと笑う何かがいた。
ロビンは両手を自身の胸元に構えた。
「
怯える青年の周囲に4本の腕が生え、彼を囲むゾンビを張り手で突き飛ばす。突然の出来事に青年はまた違った意味で怯えるが、彼に駆け寄るロビンの声で少し落ち着きを取り戻す。
「大丈夫、あなたの味方よ。下がってて。」
「だ、誰ですか？どうしてこんなところに、」
言われた通りロビンの後ろに下がりながら、震える声で尋ねる青年。
「この惨状を止めに来たわ。いえ、止められるかはわからないけれど。あなたこそどうしてこんな所に？」
尋ね返された青年は痛いところをつかれたのか、気まずそうにグッと押し黙った。それでも話さないわけにはいかないと、青年が口を開こうとしたその時。
「エヘヘ、そいつこの国の王族だよ。アルシングだっけ？王から見捨てられた子！生き延びるなんて無駄なことするよね〜。」
ケタケタと笑う声が降ってきた。入室した時から目を離していなかったロビンは、その声の主が壁を飛び回る何かであるとすぐにわかった。
後ろにいるアルシングの表情は見えないが、息遣いから酷く動揺していることが感じ取れる。特に"王族"という部分に著しく反応して。
「そして君、ニコ・ロビンだよね？悪魔の子！エヘヘ、大人しく牢屋に入っておけばよかったのに。」
「どうやら、あなたが師卿の1人のようね。」
「コントン。師卿の中で一番考えの読めない奴です…！」
背後からアルシングの補足が入る。
顔かけの下でニタニタとした笑みを崩さないコントンは、ずっと尻尾をいじりながら壁を跳ねてまわっている。自分から攻撃を仕掛ける様子はなく、ただただ意味のない遊びを続けているようだった。
「もうお分かりだと思うけれど、島民達を止めに来たわ。解放してくれるわね？お犬さん。」
「解放ぉ？彼らはもうとっくに解放されてるよ。現実からも、肉体からも！」
「……なんですって、」
ロビンに嫌な予感が走る。
「エヘヘヘ、無駄だよ！意味ないよ！とっくに死んでるんだ！ゼンマイを止めたら倒れるだけ、元には戻らない！」
この島の真の惨状を知り、ロビンは呆然とした。
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
