episode194 奇襲 ページ47
ローと別れた後階段を駆け上がり、サンジとロピンは王宮の上階を進んでいた。
やはり地上階でもゾンビが徘徊しており、こちらの姿を捉えるたびに襲ってくる。正気の人間はもう逃げたか襲われてしまったのか、ほとんど見当たらなかった。
「…！ロビンちゃん、またマップだ。」
サンジが指をさす先には、先ほどと同じようなインフォメーションが壁に掲示されていた。突き当たりは窓しかなく、敵はいないが追い込まれると逃げ場もない位置だ。周囲に奇襲者がいないことを確認すると、警戒を保ちながら2人でマップに駆け寄る。
地下通路に関する情報は少なく、代わりに王宮の各フロア毎の施設が記されていた。
「……うん、近くまで来れたわ。上の階の、向かいの隅ね。」
ちら、と窓の外を見るサンジ。大勢のゾンビが徘徊する中から、いくつかの戦闘音が聞こえてくる。きっと仲間たちが抵抗している音だ。
「まずいな、急がないと外にいる奴らの体力が持たねェ。」
最終目的地を確認した2人が、窓に背をむけ足を踏み出した瞬間。
背後のガラスが盛大にバリンッと割れ、一番近くにいたサンジに何かが巻き付く。
「うおッ！！？」
「サンジくん！！」
連れていかれそうになるのを、ギリギリ窓枠で堪えたサンジ。彼に巻き付いているのはドブ色の髪の毛だった。
すぐにロビンが能力を発動。サンジを引き詰めながら髪の毛を解こうとするが、そんな彼女の背後からゾンビたちの呻き声が。
「ッロビンちゃん、先に制御室行っててくれ！あいつらが後ろまで来てる！」
「そんな、置いていけるわけがない！」
「多分こいつは幹部の妨害だ、制御室にももう1人いるに違いない！頼む、君しかいないんだ！________っう”、クソッ分かった攫われてやんよ！！！」
強くなる締め付けに顔を歪めると、サンジは自ら窓の外へ飛んだ。
「サンジくん！！」
引っ張り上げられたのか、すぐに彼の姿は見えなくなってしまった。ガラスの破片も気にせず窓から乗り出すロビン。少なくとも落下していないことに安堵すると、彼女は自分の目的地の方を向いた。
先ほどのガラスの音に反応したのか、遅い動きながらも正気の無い教団員たちがわらわらと近寄ってきていた。
「……ええ、任されたわ。」
低い声で一言そう呟くと、ロビンは王宮内を再び走り始めた。
ゾンビをうまくかわしながら、時に正面から吹き飛ばしながら。彼女は大きな部屋の前にたどり着く。
中からは無邪気なくすくす笑いと、誰かの悲鳴が聞こえた。
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
