episode191 その真実 ページ44
「その可能性が高いです。」
頷くブルック。
「おいおい、じゃあそんな中でルフィ達は戦ってるってのか！？ヤベェって俺たちがもっと援護しなきゃ！！いやでも操られてるとはいえ島の奴らを…いやそんな事言ってる場合じゃねェんだけどどうにか止め＿＿＿＿＿あ！」
1人で会議を繰り広げていたウソップが、パッと明るい表情になった。
「そうか、止めりゃ良いんだ！音を！そうすりゃみんな正気に＿＿＿＿＿」
「残念ながら、そちらの可能性は低いかもしれません。」
え、とブルックを見るウソップ。
島を見据えるブルックの声は、やけに低かった。そのただならぬ雰囲気に、嫌な予感が一同に走る。
「……私、この島に来て、島民の皆さんを見てからずっと違和感があったんです。まるで、何かが足りない。そこにあるべきものが感じられない、と。その正体がやっと分かりました。
＿＿＿無いんです、
「た、魂…？」
ウソップが鸚鵡返しをすると、近くにいたペローナはハッと口を塞いだ。
「まさか、私のネガティブホロウが効かなかったのって……！」
「ええ、恐らく。………人を含め動物には、"魂"というものが存在します。黄泉から戻った私がその最たる証拠と言えるでしょう。スリラーバークで会ったゾンビ達でさえ、魂の片鱗や名残りが見えました。」
嫌な風がサニー号の帆を揺らす。
「だからこそ島民達を見た時、この違和感は私の気のせいだと、この島独特のものだと思いました。だってこんなに多くの人間が、普通に生活をしている人間が、"空っぽ"だなんて……あまりにも信じ難かった。でもスラムの皆さんや一部の教団員には魂の存在を感じられる。ゆえに私の仮説は矛盾して、真実に辿り着いてしまいました。」
ブルックの言わんとしていることをようやく理解したのか、ウソップは先ほどよりも青ざめた顔で尋ねた。
「う、嘘だろ……？ってことは、じゃあ、島の奴らはほとんど……！」
「＿＿＿＿＿私達が来たときには、既に亡くなっていたんです。それも、肉体のみならず魂まで殺されて。」
一同に鳥肌が立った。
「今あの島で様子がおかしくなってしまっている人達の中に、生者と呼べる者は居ないでしょう。」
ウソップは言葉を失った。
音なんてトリガーに過ぎなかった。
彼らは亡き後も体を勝手に使われ、偽りの生者として生前と同じ生活をさせられている。
この島はもうずっと前から、地獄絵図だったのだ。
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
