episode187 凶 ページ40
王宮からの謎の爆発音を聞き、一番小柄な師卿がニタニタと笑った。
「あれれェ？あっちにもお邪魔虫がいるみたいだね〜。無駄なことするなァ。」
自分たちの重要な施設が襲撃されているにもかかわらず、その師卿は自身に生える犬のような尻尾をいじるだけで、何も行動を起こそうとしない。
そんな彼(彼女？)に向けて、教祖はルフィ達を見ながら指示を出す。
「コントン、指定の場所につけ。」
「エヘヘ、だるいな〜。」
"コントン"と呼ばれた師卿は、了承すると犬のように四足歩行で走っていった。
「キュウキ、お前も自分のエリアに行け。」
「モフフフ……仰せのままに。」
教祖の言葉に頷いた大男は、礼服からはみ出る体毛を引き摺りながら建物の奥へと消えた。
しかし敵がそんな暇など与えるはずもなく、
「!」
教徒の群れを抜け、教祖の1メートルすぐ先までルフィとゾロが迫っていた。
咄嗟に師卿たちは拳と斬撃の雨を避けるが、避けた先で今度は弾丸の雨が飛んでくる。それを受け止めたのは、舞台裏からの伸びてきた長い長い毛だった。
弾丸を打ち込んだエースとイゾウは目を見張った。髪の毛程度で弾丸など止められるはずがない。しかし弾かれたそれはまるで鋼鉄に当たったかのように潰れ、力無くポロ…と地面に落ちた。
(ゴーストのお嬢さんが言ってた"毛むくじゃら"ってのは、もしやあの男か！)
予想外の光景に驚きながらも、イゾウは冷静に分析していた。
「おっと……モフフ、危なかったですねェ。教祖様ご無事で？」
「ああ。私もこの場を離れるとしよう。私とて
「行かせるかよッ！」
舞台裏へ消える教祖を見て、追いかけようとするゾロとルフィ。だが、視界の隅で何者かが勢いよく跳躍したことに気づき、2人は咄嗟に回避を選択した。
「ヴルアァァァァァッッ！！！！！！」
空から雄叫びが聞こえた次の瞬間、ドォォォンッと地鳴りのような着地音が響く。その衝撃波に多数の教徒が吹き飛ばされ、戦場はシンプルになった。
1秒前までルフィ達が立っていた場所は地面が抉れ、その上には、先ほどまでおとなしかったはずの最後の師卿が立っていた。否、師卿"らしき"と表現すべきか。体が著しく巨大化し、顔は人間の形を保ちながらもその口からは猪のような2本の長い牙、逆立つ毛はさながら猛虎。
「良いぜ……良いぜ良いぜ良いぜェ！！戦闘だ、殺し合いだ！！獲物は全部食いちぎってやらァッ！！！」
episode188 粗暴の体現者→←episode186 熱烈歓迎、グァマン教団。
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
