episode173 強面の音痴の剣士くん ページ26
そんなやり取りをすると、ここでゾロが見慣れない青年の存在に気付く。
「あ？誰だこいつ。」
「うお、あの、えっと……。」
ゾロが刀に肘を置いた音と、彼特有の鋭い隻眼に、少し震え上がるアルシング。
「スカウトした！俺たちの"地図"だ。」
にひ、と笑いながらルフィが紹介する。他の面々も先ほどまでの出来事を説明し始め、最初は首を傾げていたゾロも理解し始める。一通り話を聞いたゾロは、同情を混ぜたような半笑いをアルシングに向けた。
「こりゃまた厄介な奴らと出会ったな、お前。ついてくる分には俺達は助かるが……騒ぎに乗じてどっかの船に紛れ込んだ方が、生存率は上がるかもしれねェぞ。その上で、海賊と戦場に突っ込む覚悟。出来てんのか？」
「……もう一回考える機会をくれるなんて、なんか良い意味で海賊らしくないな。」
そう笑って肩を揺らすアルシング。ゾロは首を振った。
「違う、途中で怖気付かれても子守は出来ねェから聞いてんだ。」
「ええ、もちろんです。このチャンスを掴みに行くからには、この先何が起こっても受け入れるつもりです。」
青年とはいっても、まだどことなく容姿に幼さが残るアルシング。しかしその真剣でいてどこか諦めたような表情は、とても大人びていた。似つかわしくないほどに。
ゾロは一瞬表情を曇らせ黙り込んだが、"分かった"と一言返し、目的地＿＿＿とは真反対に足を踏み出した。
「ゾロそっち港だぞ？」
船長の突っ込みにビクッとして止まると、ギギギと音が聞こえそうなぎこちなさで方向転換した。
「……おい、アル。案内しろ。」
「え、あ、ハハ。了解しました。」
笑うなと目線で訴えるゾロだが、赤くなった彼の顔はもはやアルシングに威圧感を与えられなかった。
そして歩き出した道中、人混みの中でイゾウがアルシングに顔を近づけ、とある質問を投げかける。
「なあ。集会に参加する前に、この国で何が起こったのか聞いても良いか。元々はこんな感じじゃ無かったんだろう？」
それを聞いたアルは一瞬ハッと目を見開くと、目を逸らした。まるで何かと葛藤しているかのような。さっきイゾウが引っかかった時と同じ表情をしている。
「知ってる範囲、いや話せる範囲だけでも良い。」
「……。ありがとうございます。そうですね、さっき話したこと以外に、もう１つ確信していることがあります。」
アルは見えない何かを睨んだ。
「この国にあの教団を招き入れたのは、現国王です。」
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
