episode169 裏側 ページ22
サッチの要求に、アルシングは丁寧に応えた。
あの教団員について行った海賊達を、これまでに何人も見ていること。
ついて行った人達は最終的に戻っては来るものの、メンバーが何人か欠けていたこと。
その"欠けている"という非常事態に誰も疑問を持っていない、なんならそんなメンバーなど最初から存在していなかったかのように喋っていること。
海賊達が島を去った後、欠けたはずのメンバーが何故かグァマン教徒としてこの島で何事もなく暮らしていること。
「一体何が起こっているのか、正確なことは僕にもまだ分かりませんが。」
アルシングが何故先ほど声を掛けたのか。全てを理解したサッチは、少し戦慄が走ったような顔で呟いた。
「静かなる人攫いだな、こりゃ。攫われたってことに仲間はおろか、本人すら気付けねェってのか。」
それを聞いて、ルフィの表情がグッと険しくなった。
仲間がいなくなったことに気付かぬまま出港し、何事もなく旅を続ける。つまり仲間の存在が完全に消えてしまう。そんな恐ろしい状況は、ルフィにとっては妄想すら耐え難かった。
「とはいえ、普段は海賊が教団員に絡まれていても助けたりはしていません。海賊に声を掛けること自体がリスクなもので。」
目を逸らすアルシングに、頷くイゾウ。
「そりゃごもっとも。ってことは、俺たちが声掛けられたのはあの子がきっかけか。」
「はい。ちょうど今、皆さんの斜め後ろの建物からこちらを見てますね。」
イゾウ達が振り向くと、建物の後ろに隠れてこちらの様子を伺う、先ほどぶりの女の子が。
一斉に向けられた視線に女の子は肩を跳ねさせると、さらに隠れてしまった。しかし目だけはしっかり出している。
驚かせてしまった詫びも込めて、フランキーが掌からさらに小さい掌を出し、ヒラヒラと振る。摩訶不思議な、しかし粋で友交的なサイボーグに女の子は少し目を輝かせる。
そんな様子を見てフランキー達の口角も自然と上がった。
アルシングも同様に微笑んでいたが、突然、深呼吸を始めた。その気配を感じ取ったフランキー達がアルシングに向き直ると、彼は土下座の姿勢に入った。
エースが驚きの声を上げる。
「ぅえ？おい、何だよ急に。」
「すみません。あなた達を助けたのは、もう一つ理由があります。頼みがあるんです。無理は百も承知です、でもあなた達にしか頼めない……！」
真剣な声音に身構える一同。
「俺達をこの島から＿＿＿＿＿＿＿連れ出して貰えませんか…………！！」
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
