episode168 避難 ページ21
「ん？んん？」
なにやら内緒話をしている青年とイゾウを見ながら、首を傾げるルフィ。
「なあエース。あいつ、だ＿＿＿＿＿ムグッ！！」
パシッと塞がれたルフィの口。犯人はエースである。
イゾウの様子を見て、彼は咄嗟にそう判断した。
青年の話を聞いてなにやら小さく頷いたイゾウは、他のメンバーへ向き直り口を開いた。
「……他の奴ら回収して、船に戻った方がよさそうだ。」
それを聞いたサッチが、わざと面倒くさそうに腕を組む。
「え〜観光始めたばっかだぜ？」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ兄貴……ってかついさっきまで疲れたって休憩してたじゃないすか！！」
「おっとこりゃ一本取られた。」
へへッと笑いながら、サッチは青年にだけ分かるようにウインクをする。青年も小さくコクコクと頷いて返した。
ルフィの口を塞いでいたエースは、教団員に話しかける。
「あー、悪ィが用ができた。」
「あ、ええ全然。何かお困りで？」
「いや、うちの事情だ。イベントにはタイミング合えば顔出すぜ。」
詮索するな、という意味を込めて手助けを遠慮するエース。
「かしこまりました。お気をつけて。」
込められた意味を感じ取ったのか否か、教団員はそれ以上話しかけず、去っていく一同の背中を見ていた。
誰もいなくなった路地で、教団員はようやく踵を返した。
まるで、最後まで彼らを観察していたかのように。
青年に案内されるがまま、少し駆け足で教団員から離れた一同。どうやら島の右端まで来たようだ。
ここはまた違った街の風景が広がっていた。
「……スラムか。」
そう呟いたイゾウに、青年は肩をすくめた。
「表の賑やかさからは想像できないよな、ここは港からも見えないようになってますから。……すみませんね、こんな所に連れて来ちゃって。」
青年は苦笑いをしながら、キャスケットを脱いだ。
「自己紹介遅れましたが、アルシングといいます。適当に"アル"とか省略して下さい。さっきは信じてくれて、ありがとうございました。」
軽く頭を下げるアルシングに、サッチが微笑む。
「なるほどなァ、妹ちゃんがしっかりしてるわけだ。」
「え？……ああ、さっき助けてもらった子か。まあ、そうですね。ここにいる人たちはみんな家族同然だと思ってます。」
「ん、成る程ね。……じゃあこっちの自己紹介もしつつ、色々聞かせてもらおうじゃねェの。君がこの島について何を知ってんのかさ。」
サッチの目が少し鋭くなった。
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休暇を求める者(プロフ) - いぶきさん» 3ヶ月越しの返信で恐れ入ります…！ご感想ありがとうございます。エース推しとのことで、もう暫しドッタンバッタン最終章が続きますが、ぜひ以降の流れも楽しみにしていただけましたら嬉しいです。 (7月2日 13時) (
レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 最初からここまで読んできましたがとても素敵な作品でエース、サッチが生きてるお話が見れるのがとても嬉しいです！エース推しなので時々見れるきゅんシーン射抜かれてます！エースもイゾウもルフィも好きなのでたくさん見れて幸せです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月29日 7時) (レス) @page18 id: d33577c241 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - ンョョさん» 大変な高評価を頂いてしまった上に…しかも長くお付き合い頂いてるとのことでなんと御礼申し上げれば…？？？大変光栄です、ありがとうございます。正直読み返すとまだまだ怪しい所もありますゆえ、今後も精進して参ります…( ˘ω˘ ) (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - 莉久さん» 遅ればせながら返信いたします。う、嬉しか〜〜〜〜〜〜！特に世界観の維持はとても気にしていた所なので、とてもありがたいです。今作の中心人物はほぼ全員登場してしまったのですが、終盤に色々企ててますのでぜひお楽しみに… (2023年3月6日 1時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
ンョョ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。何年も前から読んでいる者です！ストーリーの根幹がすごくしっかりしていて、伏線の張り方や登場人物のなめらかな視点移動が読んでいて惚れ惚れするほど圧巻です…！いちファンの身ですが、これからも応援しております。 (2023年3月2日 0時) (レス) id: 795bb29f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：休暇を求める者
| 作成日時：2022年12月30日 3時
