#１５６ ページ9
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合宿最終日。
明日はついにオーディション最終審査。
玲於は先にPIERROTでも打ち合わせがあるからと、直己さんに送ってもらってここを出ていってしまい。
必然的に龍友くんも居心地が悪くなったのか、「最後ぐらい2人で過ごしや」と彼も先に帰っていった。
残された涼太くんと私。
2人きりになるのはここにきた日の夜だけ。
――――――――――「この先、興味ある … ？」
それを言われた日のことを思い出すと、一気に緊張してきて心臓がバクバク脈打つ。
何食わぬ顔で荷造りを初めてみるけど、どうしても気が散って思うように体が動かない。
『落ち着け … 』
おまじないの様に唱えてみても心臓の音は変わらず早く鳴り続ける。
そんな事を知らない涼太くんは、座り込む私の背中に覆い被さる様に寄り掛かってきた。
『ちょ … っ！』
「 … かまって」
いつになく元気のない声。
いつもの子犬というより、子猫が甘えてくるようにすり寄ってきて離さない
『どうしたん、ですか』
「かまって欲しいの」
こんな涼太くんの姿は初めてでどう接していいのか分からず、とりあえずふわふわの髪を撫でてみる。
「そんなんじゃ満足できないのっ！」
――――――――――ドサッ
肩を押し倒され、私の目の前には余裕のなさそうな涼太くん。
床の冷たさが直に伝わってきて、鳥肌が立つ。
こんな涼太くん、初めて見た。
いつも冷静で笑顔の絶えない彼が、今は危うい雰囲気で私を押し倒しているこの状況。
「もっと僕の方の見て … っ」
『りょ、た … っ』
――――――――――ポタ …
私の頬に落ちてきた雫。
次々と降ってくるその雫はと止まることなく、涼太くんの瞳が落ちてくる。
『なんで、泣くの … 』
「わかんない … 、でも、すっごく寂しくて … っ」
彼の頬に手を添えて、指で頬を撫でる。
『私は、ここにいるよ … 』
手は頬を滑り抜け、首に回して彼の身体を引き寄せた。
さっきまでの私みたいに、彼の心臓の音がバクバクと鳴っている。
『僕の隣にずっといて … 』
「いるよ、涼太くんが求めてくれる限りずっと」
子供のようにいつまでも泣き泣き続ける彼を、私はそっと慰めることしかできなかった。
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あ - 誤字多すぎなんだけど萎えるわ (2019年11月10日 16時) (
レス) id: 75e9093654 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - okppp212さん» コメントありがとうございます！そうなんです、あの漫画モチーフで書かせて頂いております！大好きなんですよね...あのバンドが... (2019年10月16日 21時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
okppp212(プロフ) - やっぱり好きな漫画のやつだ！ってこの章で発覚して楽しみで読ませていただいてます！がんばってください！ (2019年10月16日 21時) (レス) id: fb074e63b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: f9de41481b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年9月11日 14時
