#１８６ ページ39
．
特に何があるからと集まったわけじゃなく、たまにこうして龍友くんと近況報告をし合う。
好きな話をひたすらして、そろそろ補導されそうな時間になると彼が家まで送ってくれる。
龍「さっきの赤髪のアイツ、怖くなかったか？」
近くにあったレストランに入り、ドリンクバーのグラスに入ってる氷をストローで弄りながら喋り出す。
『怖くなかったって言えば、嘘になる … 』
龍「ははっ、だろうな。威圧感ハンパないからなぁ」
中務裕太さん。
龍友くんの一つ年上のお兄さん。
あの職場で一番仲の良い人らしく、先輩ではあるけどタメで話す仲にまでなった。
見た目とは裏腹、とっても優しい人らしいけど …
『今日のあれはちょっと … って感じです』
ずずっとグラスにあったオレンジジュースを一気に飲み干す私。
龍「あれはちょっと冗談きつかったわ … 明日どうなってることやら」
『ちゃんと誤解解いてくれないと、龍友くんとは絶交ですから』
�狎筝鬮瓩箸いΩ斥佞縫瀬瓠璽犬鮗�けたのか、急いでメニューのデザートのページを開いて見せてきた。
龍「す、好きなもん頼んでえぇでっ、俺のおごりや」
『 … モノで釣る大人って汚い』
断るつもりはなく、私は『これ』と一番大きくて高いパフェを指差した。
無くなったドリンクも補充して、再び席に戻ると龍友くんは「学校はどうや」と話をはぐらかすように話題を変えた。
『 … まぁ、良くも悪くもって感じ？』
龍「そろそろ文化祭の時期やろ、クラスでは何やるんや？」
『えっとね、タピオカ屋さん』
龍「わーお、イマドキ感強いな」
クラスでの出し物の話でしばらく盛り上がってると、注文したパフェをウェイトレスさんが運んできてくれた。
専用の長いスプーンでそのパフェに手を付けようとした時、今一番触れて欲しくない話題を振られた。
龍「歌、歌わないんか … ？」
反応したくなくても、ピクッと身体を反応してしまう。
『それ、2人も言われた … 』
龍「北人と壱馬にか？」
『強くは言ってこないけど … 歌って欲しいんだよね、きっと』
分かってる。
周りが私に期待してくれているのは、痛いほど分かってる。
だけど、思考とは裏腹に身体をそれに応えようとしてくれないから、どうすることも出来ない。
『歌いたいのに … 歌えない … 』
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ - 誤字多すぎなんだけど萎えるわ (2019年11月10日 16時) (
レス) id: 75e9093654 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - okppp212さん» コメントありがとうございます！そうなんです、あの漫画モチーフで書かせて頂いております！大好きなんですよね...あのバンドが... (2019年10月16日 21時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
okppp212(プロフ) - やっぱり好きな漫画のやつだ！ってこの章で発覚して楽しみで読ませていただいてます！がんばってください！ (2019年10月16日 21時) (レス) id: fb074e63b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: f9de41481b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜天 | 作成日時：2019年9月11日 14時
