#１６４ ページ17
．
運命の結果発表までの時間。
この時間だけが怖くて仕方なかった。
スタッフさんも、亜嵐も隼も、他のチームの口を揃えて「一番良かった」と言ってくれて。
嬉しいのに、それが私をさらに不安へと落としていく。
控室に戻って、涼太くんに抱き抱えられるように椅子に座る私に、龍友くんが申し訳なさそうに声を掛ける。
龍「 … 玲於、見なかったか？」
『玲於 … ？』
そういえば、ここに戻ってきてから彼の姿を見ていない。
涼「僕も知らないよ？」
龍「じゃ … どこに … 」
顔を上げて、彼の姿を探そうとした時。
今まで静かだった会場の歓声が一段と大きく上がり、モニターに映し出されたステージには、PIERROTの3人がスタンバイしていた。
涼「これって、予定してたっけ … ？」
龍「いや、俺らが聞かされてたんは、この後結果発表って … 」
『じゃ … ゲリラってこと？』
隼のカウントと共に始まったPIERROTライブ。
PIERROTの真実を知ったとして、PIERROTのファンだということに変わりはない。
『これ、知らない … 』
龍「Aちゃんが知らない曲ってことは … 」
『新曲だよ、この曲』
いつ練習してたの？
休み中、ずっと一緒に居たのにこんな完璧に3人の音が重ねっていた。
そのあと、トークも挟まずに曲は何曲も続いたが、全部新曲。
それも亜嵐らしい曲調で、彼が作曲したことは明らか。
『すごい … 』
画面越しでも伝わる3人の臨場感。
これがプロなんだと、突きつけられた現実。
涼「行こう、Aっ」
『行こうって … っ』
涼「玲於のとこに」
涼太くんが私の手を引いて向かったのは、勿論ステージの舞台袖。
スタッフに止められることなく、一番近いところでPIERROTの姿を見ることができる特等席。
チラッと、演奏する玲於の視線が私を捕らえた。
『玲於 … 』
龍友くんも後から付いてきて、気付けばオーディションに出ていた全チームがこの場に集まって息を飲んでいた。
「すごい」
「かっこいい」
「これには勝てない」
みんな思い思いの言葉を呟く声が聞こえる。
『ねぇ … 私、新しい目標できました … 』
涼「なに？」
『私も、この場に立ちたい』
．
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あ - 誤字多すぎなんだけど萎えるわ (2019年11月10日 16時) (
レス) id: 75e9093654 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - okppp212さん» コメントありがとうございます！そうなんです、あの漫画モチーフで書かせて頂いております！大好きなんですよね...あのバンドが... (2019年10月16日 21時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
okppp212(プロフ) - やっぱり好きな漫画のやつだ！ってこの章で発覚して楽しみで読ませていただいてます！がんばってください！ (2019年10月16日 21時) (レス) id: fb074e63b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: f9de41481b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年9月11日 14時
