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#7 ページ7

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『先輩のピアノ … ステキです … 』



さっき外で聴いてたのと、こうして目の前で聴くのとは音が全然違う。



言葉にするのが勿体ないほど綺麗な音色で、先輩の心を表してるかのような感じがした。









「じゃあ、次は … あ、そういえば名前聞いてなっかった」



『すみません、申し遅れました!!私、2年のAAと申します!!』



勢いよく立ち上がり、これまた勢いよく頭を下げる。



「僕は3年の片寄涼太。自己紹介しなくても知ってるか。笑」



笑ってる先輩を目の前にして浮かれてたからなのか、「カッコいい … 」と心の声が漏れていた。



「素直なんだね、Aさんは。笑」









また笑われた …



もう消えてなくなりたいほど恥をかいてる気がする。









「さて、自己紹介も終わったことだし … 今度はAさんの番だよ」



私の気持ちなんて御構い無しに、すんごいことを提案してきた先輩。



確かにここへはベースの練習をしにきたのには間違いはないけど、それは一人だったらというのが前提。



そして今、目の前には私以外の人がいる。



「僕だけ披露して終わるのは不平等だなぁ」









聴かせたい。



聴いて欲しいのに …









怖くて手が震える。









『ご、ごめんなさい … っ、今弦が切れてて … 』



見え透いた嘘。



でも先輩は「そっか」と小さく呟き、それ以上無理強いはしてこなかった。



「また今度、聞かせて欲しいな」



『 … はい、必ず』









今日はもう帰った方がいいと促されて、先輩よりも先に学校を出てきてしまった。



きっと第一印象悪いよね、私 …



せっかく私のベース聞きたいって言ってくれたのに、手が震えて弦すら抑えられなかっただろうな。









『こんなんじゃ、オーディションどころじゃないよ … 』



茜色に染まった空を見上げて深くため息。









こんなんじゃもっと玲於を怒らせるだけじゃん、私。









『バカだなぁ … 私 … 』



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設定タグ:GENERATIONS , 片寄涼太 , 佐野玲於   
作品ジャンル:恋愛
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夜天(プロフ) - 美心さん» 亜嵐くんの誕生日ですか!?羨ましい(泣)移行先でもよろしくお願いします! (2018年11月10日 9時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
美心(プロフ) - 私は8月4日に参戦して来ました!更新頑張ってください! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 3a297c68b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 佐野玲於の名無しのfanさん» ありがとうございます!まだまだ最後を迎えるのは先なので最後までどうかお付き合いください! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
佐野玲於の名無しのfan(プロフ) - オチが気になる〜!!読み終わったとき心臓がキュンキュンします!続き頑張ってください! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 24c1463825 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - あゆんさん» ありがとうございます!これからもきゅうってさせちゃいます!! (2018年9月30日 6時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜天 | 作成日時:2018年9月10日 23時

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