最終話 ページ33
RRRRRRR。。。
スマホのアラームが大音量で鳴る。
AM6:00
あー。。眠い。。まだ寝てたい。。
けど平日かぁ。。起きなきゃか。。
スマホを止めて薄目を開けると、ぼやけた視界がだんだんはっきりして、部屋の中の景色が見えてくる。
。。。。。って!そうか!!
ガバッと起き上がると、隣でもぞもぞと動く気配。
「まだいいじゃん、寝てよーよ。。」
腰に腕が巻きついてくる。
ベッドに引き戻されたわたしは深澤の鼻をくいっと摘む。
「ふがっ」
「わたし会社行く前に家に寄らなきゃだから。先に出るからね」
腕を解こうとすると、更に強く抱きしめられる。
「こらっ」
「。。。会社休も?」
「もーなに言ってんの」
やっと腕を解いてベッドを抜け出すと、もぞっと起き上がる深澤。
「あ〜会社行きたくね〜。ずっとAといちゃいちゃしてたい」
「おーい!現実に戻ってこーい!今日会議あるんでしょ?」
「会議?。。おー。。会議、あるな。。しゃーない、起きるか。。」
バタバタと用意を済ませていると、いまだソファーでぼーっとしている彼。
足元にはわたしが以前あげたキャラクターもののモコモコくつ下。
シャレであげたはずのそれをしっかり履いてくれているところが愛しいけど、30男には不釣り合いすぎてやっぱり笑う。
「ぶっ、」
「ん〜?なに?」
「そのくつ下。。笑」
「自分であげておいて笑うか?でもこれあったけーんだよ。。そっか、これも今度Aんち置いておこーっと」
わたしの家に泊まりにくるたびに増える彼の私物。
そろそろちゃんと専用の収納を作らなきゃなぁ、なんてふと思う。
「もう出るね。朝ごはんとか作れないけど、」
玄関に向かうわたしの後をまだボサボサ髪の深澤がとぼとぼとついてくる。
「そんなの全然いい。平日なのに昨日俺が引き止めたのが悪い。ごめん」
「大丈夫。まだ時間余裕あるし。じゃ、行くね」
「おー。週末ゆっくりしようなぁ〜。。。あ、待って!」
靴を履いて玄関のドアに手をかけたところで腕を掴まれ引き戻される。
「ん?。。。!!!」
もう行くって言ってるのに。
「。。たつ、」
朝にしては、長めのキス。
「〜〜〜んっ。。。もうっ!ながいっ」
「あー口紅取れちゃった。ごめんね笑」
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作者名:しろ | 作成日時:2022年10月7日 22時