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「おいおい大丈夫?いつの間にか結構飲んでた?」
店の外に出ると、夜風の冷たさが心地よい。
足元がふらつくわたしを見て深澤が心配そうな声を出す。
「座ってる時は大丈夫だと思ってたけど立ったらなんか、」
「さては俺を送り狼にさせようとしてるなー?」
「いやごめんマジでそんなつもりなかった」
「思いっきり否定すんな!まぁ、危ないから、ほら、腕に捕まって」
深澤の出した腕に手を絡める。
「ふふっ、」
「なーに?」
「深澤に、触ってる笑」
「嬉しいの?」
「嬉しい笑」
「。。酔っ払ってんなぁ笑」
「酔っ払ってるから普段言いたくても言えないことを言ってるだけー」
「お〜浮かれるようなこと言うなよ〜ニヤケが止まんないだろ笑」
酔ったわたしに歩く速さを合わせながら、深澤は続ける。
「。。。浮かれついでに話すとさぁ、30年生きてきたけど、俺、告白したのって初めてだったよ。自分から好きだって言いたいと思ったの、Aが初めてだった」
「。。。そーなんだ。。」
「A、いくら仕掛けてもノッてこないし。。このまま俺が言わなかったら一生友だちのままじゃないかと思うと怖くなった笑」
深澤の足が止まり、わたしの顔を見つめる。
「だからって訳じゃないけど。。俺が好きだから、ホント大事にしたいのよ。。。。Aのこと」
深澤の言葉を、ずっと覚えていたくて、
酔っ払ってる場合じゃないと、思った。
「わたしも。。深澤のこと大切だよ」
「。。そこは、辰哉でしょ笑」
白くて綺麗な彼の手が、わたしの頬に触れる。
「辰哉。。。大好き」
深澤が満足気に微笑んで、唇と唇が、重なった。
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作者名:しろ | 作成日時:2022年10月7日 22時