☆ ページ35
ぽん、ぽん。と書類に判子を押す。
もう学年末なので書類が多く、整理に一苦労。
いかにも高そうなクッションの効いた椅子に体を沈めて
「あ〜〜、疲れた……」
単純な作業も続けるとなかなかしんどい。
平野「あ、かいちょ!」
キイ、とドアを開けて入ってきたのは平野くん
「平野くん!」
平野くんはふらふら〜っとした足取りで
ソファに倒れこむ
「な、何? 大丈夫…?」
平野くんはんー!とひとつ伸びをして
平野「教室、めっちゃピリピリしてたから抜けてきた〜……」
たしかに、受験間際で岩橋くんも岸先輩も
受験勉強をしているはずだ。
平野「俺ぜんぜん勉強できないしぃ…」
まあ、そのようで……
「平野くんは進路どうするの?」
平野「……シンロ?」
「日本語よ、日本語。」
平野「もう!わかってます!」
わかってるんだかわかってないんだか…
平野「なんなんだろね…わかんない。
でも、俺には大学とか行く必要ないかなって」
「なるほどね……」
でも平野くんはどこでも生きていけそう…
お姉さんにかくまってもらってそう…
へらへら笑顔でヒモ生活でもしてるんじゃないかという未来が浮かび上がる。
「三人もいなくなっちゃうのかぁ…」
岩橋くん、岸先輩、平野くん。
いつもいたメンバーがいなくなるのは寂しい。
生徒会室の明るさも彼らがいてこそ。
そう考えると急に別れるのが悲しくなる。
平野「そんな悲しい顔しないで。」
ふにゃっと笑って
逞しい手がわたしの手に重なる。
平野「絶対に忘れないから、会長も…俺らのこと忘れないでいて?」
平野くんはズルい。
いつもお馬鹿で天然なのに
こんなときだけいいこと言って。
「忘れるわけないよ…!」
ありがとう、と答えて
平野くんは少し寂しそうに微笑んだ。
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紫侑香(プロフ) - おもしろかったです! (2015年5月30日 6時) (レス) id: 90ee84403c (このIDを非表示/違反報告)
みるみ。(プロフ) - *。・岸 優太。・*さん» ありがとうございます! これからもネタが尽きない限りは頑張りたいです!新作もよろしくです♪ (2015年4月14日 20時) (レス) id: f02df25de8 (このIDを非表示/違反報告)
みるみ。(プロフ) - 白雪姫*さん» ありがとうございます! 新作も頑張ります(*^^*) (2015年4月14日 20時) (レス) id: f02df25de8 (このIDを非表示/違反報告)
*。・岸 優太。・* - 完結オメデトゥ!!こういうの好きです!!これからもたくさん作品つくってくださいネ!応援してますっっ!! (2015年4月13日 21時) (レス) id: 52e13b381a (このIDを非表示/違反報告)
白雪姫*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!凄く面白かったです(*´∀`)みるみ。さんの新作待ってマス☆ (2015年4月13日 18時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるみ | 作成日時:2015年3月26日 12時