飛蝶 - 最愛の人 - (ページ36)

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足を痛めたせいで、しばらく休むことになった。

あんな事があって、なるべくあの人に会わないよう部屋にこもっていた。

コンコンっ、

「はい、」

小『Aちゃん、今ええかな？』

せっかく仕事を覚えたのに足でまといになる私を、心配して様子を見に来てくれる小瀧さん。

小『足はどんな感じ？』

「だいぶ、痛みは良くなったんですけど…
歩くのはまだちょっと痛いです。」

小『そっか。これ、好きって言うてたから買ってきた。濵ちゃんも心配してたで』

「…ありがとうございます、」

小さな紙袋を受け取れば、昔よく食べてたチョコレートが入っていて。

小『そんなに濵ちゃんが嫌い？』

きっと、あの人が買ったであろうそのチョコは
開けずに部屋の隅に置いた。

小『まだ、俺らが神山組の娘って理由だけでAちゃんをここに置いてると思っとる？』

「…あの人に聞いて来いって言われたんですか」

小『Aちゃんが人を信用できへんくなったのは、濵ちゃんと別れてからやろ』