水色のカルテ

まるでデートのように ページ10

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*




待ち合わせ場所は、普段行くことのないお洒落な若者の街。



水色のシャツが爽やかで。

ﾁｬﾝﾐﾝさんはただ立っているだけで
雑誌からそのまま飛び出したよう。



私はというと……悲しいことに、既に踵が靴擦れしている。





CM「…あ。」

　「すみません。遅くなりまして…」

CM「いいえ。じゃ、行きましょう。」





今日も私は度数の合っていない眼鏡を付けていて。
ﾁｬﾝﾐﾝさんはそんな私を見ると吹き出す。

「くっ…ごめんなさい」と楽しそうに。




し、失礼な…。

私だってこんなルックスの男性と、並んで歩きたくない。



ほら……道行く人の視線を感じるんだから。





CM「お腹空いてます？先にお昼食べませんか。」

　「あ、そうですね。」

CM「イタリアンか和食かハンバーガーのお店でよければ、案内します。」





すごく、スマート。


というか、きっとﾁｬﾝﾐﾝさんに不慣れな事なんて何もない。
なんでもさらりとこなす。



高校時代の……
あの、参考書を片手に歩く学ランの彼は
こんなにも素敵な男性になったんだ。





CM「あー……気分じゃないなら言って下さい。
他も探しますから。」

　「あ、ハンバーガー食べたいです。」

CM「ハンバーガー？じゃあこっち。」





そう言って、不意に手首を掴まれ…


方向を変えるﾁｬﾝﾐﾝさんに
私の体は石のように固まってしまう。





CM「どうかしました？」





どうもしないんだけど…


ﾁｬﾝﾐﾝさんこそ。

せっかくの休みに
どうして私なんかの買い物に付き合うのだろう。





*




大きなハンバーガーを食べ。

何度辞退しても「ここは黙って奢られてください」と
ﾁｬﾝﾐﾝさんは私の分の会計も済ませてくれて。


店を出ると、ぐっと伸びをする。





　「はあ…とっても美味しかったです。
私、食に関することが大好きで。」


CM「食に関すること？」


　「食べること、料理、食材の買い出し、家庭菜園……とか。」





…まただ。


どうして私の話す事は
いちいち彼の笑いにハマるんだろう。


ﾁｬﾝﾐﾝさんは笑いながら、私の斜め前を歩いて行く。





CM「僕、大食いなんですよ。
まぁ、殆ど料理なんてしないけど。」


　「へぇ…」


CM「食に関することが好き……か(笑)
台所に立つ姿が自然な女性、素敵だと思いますよ。」






そう言って振り返ると…

ﾁｬﾝﾐﾝさんの黒髪が、光の加減で栗色に変わる。




微笑んでる彼は、私の胸をときめかせた。

3秒で落ちたんです。 -CM-→←・・・

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