カウンセラー、告白する -CM- ページ28
-CMside-
CM「…望みなんてないのに。」
「……はあ。」
CM「…………」
だからさぁ……ちょっとくらい察しろよ。
「はあ」ってその脱力した相槌はなんなんだよ。
この人は本物の天然記念物だ…って
呆れを通り越して、もはや尊敬の域。
だけど。
望みなんてない……そう予防線を張ってても
僕の脳裏に焼き付いて離れない、あの日のあなた。
Aさんをバス停まで送った夜
会話が途切れて、ふっと静まった瞬間。
── ごめんなさい。好きになってしまいました。
Aさんの声……というか、口の動きで。
周りに掻き消されながら
その言葉が確かに僕の耳に届いた。
好き？
僕が？
あいつが？
頬を紅くしてるのは、前者という意味？
その期待が………今も僕の中にあるから。
CM「手、貸してくれますか。」
「て？」
CM「右でも左でも。」
僕を見ながらAさんが右手を差し出して…
それを、不愉快ではない強さで握った。
CM「……今から僕が伝えること。
迷惑だったら、正直にそう言って下さい。」
「…はい。」
冷たい手の温度。
眼鏡越しに、不思議そうに僕を見る。
たとえ正直に言わなくても
手を握ってあなたを見れば僕には見破れる。
自信がある。
触れた状態………つまり、相手との距離を詰めた状態では、殆どの人が嘘をつけないから。
CM「ちっ……あー緊張する(笑)」
「…………」
CM「……Aさん。
単刀直入に、僕はあなたが好きです。」
握る力を少し強めて…
その、大きくなった瞳は驚きの感情。
そこには、嫌悪感も喜びも浮かんでいなくて。
でも。
Aさんは鈍いから。
そんな人間でも勘違いしようもないくらい、直球で伝えた。
CM「好きだから、キスした。
好きだから、今会えて浮かれてる。
出会ってこんなに短い期間で軽薄だと思うかもしれないけど、本気で好きなんです。」
知れば知る程、深みにハマる恋。
魔性的に男を惑わす要素はなくても……
僕はAさんにハマっていく。
恐ろしい速度で。
ナンセンス。
朝も夜も頭を占領するような恋はしたくないのに。
CM「聞いてます？」
「……は、い。」
CM「……前向きな返事、期待していいですか？」
相手に自分を知ってもらう時間を作るのは大切。
そんな基本分かりきってる。
だけど、もう………言わずにはいられなかった。
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りんこ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん、コメントありがとうございます(^^)水色のカルテとこちらのカップルを気に入ってもらえてとても感激です。ナンセンスもツボってもらえて嬉しい♪ヒロインちゃん好き過ぎて重い年下チャンミンさん、最後まで可愛がってあげて下さいね^^笑 (2022年1月29日 20時) (
レス) id: d7a2e5dd40 (このIDを非表示/違反報告)
すぐり(プロフ) - ｶﾙﾃ 続きも読める様にして頂いて有難うございますm(_ _)mｽｯｺﾞｲ嬉しい…今度はあの挫けたところを突破して読めてます。ここの主人公とﾁｬﾝﾐﾝの存在が大好きで…ﾎﾝﾄ読めて嬉しい(^^)ﾁｬﾝﾐﾝのﾅﾝｾﾝｽって言葉見る度…読める幸せ噛み締めています♪ (2022年1月29日 9時) (レス) id: bd7625e3e7 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» 甘々のリョウク先輩、manmaruuさんのツボにハマってもらえたようで(*´▽`*)私も久々に読み返して、先輩に愛されてきます(笑)いつも温かいメッセージ嬉しいです。こちらこそありがとうございます！ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» manmaruさん、レンガとカルテも読んでくださったんですね！ありがとうございます、そしてお疲れ様でした(=^_^=)笑 わー、本当ですか！お話の中の彼らを気に入ってもらえて嬉しいです。楽しんでもらえてよかった♪ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - リョウクさんはちょこれーとシリーズも大大大好きでこちらのお話でも出てきてくれて嬉しいです。心が潤うお話をたくさん公開して下さってありがとうございます！！ (2019年11月18日 14時) (レス) id: 786210485f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんこ
| 作成日時：2015年7月8日 18時
