それは恋の病 ページ25
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ふわり、と珈琲の芳ばしい香りが漂う。
なかなか口を開かない私に
ｷｭﾋｮﾝ先生が淹れてくれたもの。
いいな。
ここはゆったりとした空間だな、と思う。
「…一週間前から変なんです。頭がぼんやりして、食事が喉を通らないこともあって、たまに鼓動も速くなって…」
そこで、ｷｭﾋｮﾝ先生の大きな黒目がきらりと光って。
顎のところで指を組むと、前のめりの体勢になる。
KH「鼓動ですか。それは大変だ。聴診器で心臓の音を聞いてみましょう。ちょっと前失礼します。」
「えっ…ええっ？！」
KH「ふはは。冗談ですよ(笑)」
び、びっくりしたぁ…。
くく、と。
いつものｷｭﾋｮﾝ先生らしくない
無邪気な男子高生のような笑い方をして。
その冗談に救われて、一気に肩の力が抜けた。
KH「でも……そうですか。
なら、何かきっかけになる出来事はありますか。」
「…………」
KH「あるはずですよ。必ず思い当たる事があるはずです。Aさんにとって、絶対に大事な事が。」
きっかけになる出来事。
それは、考えるまでもなくﾁｬﾝﾐﾝさんとのこと。
この一週間、ずっと考えていたようで、ふわふわと逃げていた。一番肝心な部分を。
なぜ？
どうして、キスなんて？
そこまで考えると…
顔を覆いたくなるくらい、ぶわっと熱いものが押し寄せる。
あの感触と共に。
苦しいのか、自惚れたいのか、傷付きたくないのか
どの感情も確かに私の中に存在していて。
彼との時間を共有すればする程
"憧れ"の枠をどんどん外れていく。
諦めるどころか、その逆に膨らんでいく。
もっと………ﾁｬﾝﾐﾝさんと親密になりたい。
込み上げる感情を堪えるように、目を強く瞑って。
私が今、導き出せる結論は
どうしても"諦められない"という事。
「ああ…先生。気持ちに整理が出来たら、また相談にのってもらえますか？」
KH「ええ、もちろん。もし体調に変化がなければ僕がAさんを元気にしてみせます。薬なしで、ね。」
そして、上目遣いで誘惑的に微笑むｷｭﾋｮﾝ先生。
「えぇと、その、」
KH「かわい(笑) あいつの気持ちも分かるなぁ。」
「…？」
KH「今日は電車？家まで送ろうか？」
「だ、大丈夫です…！」
新たな決意と共に、今日気付いたこと。
私がｷｭﾋｮﾝ先生に抱いていたイメージと、本当のｷｭﾋｮﾝ先生は、もしかしたら全く違うのかもしれない。
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りんこ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん、コメントありがとうございます(^^)水色のカルテとこちらのカップルを気に入ってもらえてとても感激です。ナンセンスもツボってもらえて嬉しい♪ヒロインちゃん好き過ぎて重い年下チャンミンさん、最後まで可愛がってあげて下さいね^^笑 (2022年1月29日 20時) (
レス) id: d7a2e5dd40 (このIDを非表示/違反報告)
すぐり(プロフ) - ｶﾙﾃ 続きも読める様にして頂いて有難うございますm(_ _)mｽｯｺﾞｲ嬉しい…今度はあの挫けたところを突破して読めてます。ここの主人公とﾁｬﾝﾐﾝの存在が大好きで…ﾎﾝﾄ読めて嬉しい(^^)ﾁｬﾝﾐﾝのﾅﾝｾﾝｽって言葉見る度…読める幸せ噛み締めています♪ (2022年1月29日 9時) (レス) id: bd7625e3e7 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» 甘々のリョウク先輩、manmaruuさんのツボにハマってもらえたようで(*´▽`*)私も久々に読み返して、先輩に愛されてきます(笑)いつも温かいメッセージ嬉しいです。こちらこそありがとうございます！ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» manmaruさん、レンガとカルテも読んでくださったんですね！ありがとうございます、そしてお疲れ様でした(=^_^=)笑 わー、本当ですか！お話の中の彼らを気に入ってもらえて嬉しいです。楽しんでもらえてよかった♪ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - リョウクさんはちょこれーとシリーズも大大大好きでこちらのお話でも出てきてくれて嬉しいです。心が潤うお話をたくさん公開して下さってありがとうございます！！ (2019年11月18日 14時) (レス) id: 786210485f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんこ
| 作成日時：2015年7月8日 18時
