水色のカルテ

別世界ってやつ -CM- ページ3

-CMside-





*


*




CM「そうです。ゆっくーり、肩の力を抜いて。」

　「はあ……落ち着きます。
いつもありがとうございます、ﾁｬﾝﾐﾝさん。」




ﾊﾞﾀﾝ…




CM「終わった〜…」




9時から19時まで、昼休憩を除いて予約はびっしり。


最後の患者さんをドアまで見送ると
ドカッと椅子に座って首を回した。





受付「ﾁｬﾝﾐﾝ先生お疲れ様でした〜。」





いつものように
受付の女の子が冷たいお茶をテーブルに置く。

ベージュを基調とした、居心地のいい空間。





CM「あ、受付のカレンダー8月のままだったよ？」

受付「うわ、まただぁ。ごめんなさい…」

CM「あーごめんは聞き飽きた。来月やったらクビね。」





言葉ではキツく言いながら、それでも笑いかけると
それだけでぽっと頬を染める受付の子。





受付「お、お疲れ様でした///失礼します！」

CM「はい、お疲れ様。」





この整ったルックスは生まれつきだからどうしようもない。


一日の大半は穏やかな口調でいるから
プライベートでは毒が出る。


仕事柄、女心……というか人の心も読めてしまう。




…まったく。

僕って、何をしても絵になるから。





ｶﾞﾁｬ…




お茶を飲み干したところで、ドアが開く音。

これから一緒に飲みに行くｷｭﾋｮﾝが姿を見せた。





KH「悪い悪い、お待たせ。」

CM「どうした？水曜は18時までだろ？」

KH「んー…まあ、ね。ちょっと。」





はあ、と。
気怠そうに溜息をつきながら、にやりと口角を上げて。





CM「…ああ。そういうこと？」

KH「そーいうこと(笑)」





まったく考えられない。
この男は、診察室を連れ込み宿だと思ってるのか。




そう、ｷｭﾋｮﾝの節操のなさは天下一品。




それをイコール、モテるというのはどうなんだ？
医者としてのモラルは？





KH「…ﾁｬﾝﾐﾝ君。んな目で見ないでくれる？」





まあ、別にいいけど。

ｷｭﾋｮﾝなりのけじめで
僕が好きになる女性をたぶらかす事は絶対しないから。





KH「そういえば、新しく受付の面接したんだけどさ。」

CM「へえ、どんな子？」

KH「俺達の通ってた予備校の売店でバイトしてたんだって。
で、俺のこと知ってた。すごくない？俺ってやっぱ有名人？」

CM「くそ！黙れ！自意識過剰！」







…そう。
　



それが、あなた。
　



ｷｭﾋｮﾝの事は知っていたくせに
僕の事は知らなかった、ひどい人。





そして、僕は呆気なくあなたを好きになる。

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