鈍いうさぎ ページ14
・
CM「ああ〜、もう……」
ﾁｬﾝﾐﾝさんが選んでくれた眼鏡。
それを通して見る彼は
あの、役立たずの眼鏡では気付けなかった
聡明さと真面目さが瞳に生きていた。
私より年下だけど、よっぽど人間的に大人で。
彼が喋る言葉は、トゲがあるのに的確で。
だけど……
「あの〜……どうしてそんなに苛立ってるんですか？」
こんな風に感情を見せるのは、ﾁｬﾝﾐﾝさんらしくない。
少し意外だった。
それでも、私にも分かること。
それは……
この前と同じ気持ちが、今も私を襲っているという事。
明るい日差しの中で振り返るﾁｬﾝﾐﾝさんに
"恋"に近い感覚を覚えた。
大食いだと言っていたﾁｬﾝﾐﾝさんに
いつか私の手料理を食べて欲しいと思った。
意地悪く笑われる度に、甘酸っぱい気持ちになった。
── いませんよ、彼女は。好きな人はいるけど。
彼には想い人がいるって知ってるのに……
私は今日、会えて嬉しいと思ってしまった。
CM「どうして？
それは………んなの格好悪くて言えるかよ。」
ﾁｬﾝﾐﾝさんは一瞬だけ笑って見せて。
私から顔を背けると、部屋を出て行く。
「お疲れ様です」と声を掛けられぬまま。
ﾊﾞﾀﾝ…
RW「あーあ。怒ってたじゃん、ﾁｬﾝﾐﾝさん。
Aぴょんお馬鹿さん(笑)」
背中で聞こえた声に、びく、と肩が揺れて。
振り返ると
受付の先輩……ﾘｮｳｸさんが小首を傾げて笑ってた。
可愛らしい…。
クリニックの受付にはそぐわない金色の髪の毛を
耳に掛けている。
「ええと……私が怒らせましたか。」
RW「じゃない？今のくだりからすると。」
「……そう、ですか。」
いったい、いつから話を聞いていたんだろう？
ﾘｮｳｸさんは、ちょんちょん、とペンたてのうさぎに触れて。
耳が折れていて、歯が出ていて
それはよく見ると情けない表情をしてる。
「…あ、指輪。彼女さんですか？」
ﾘｮｳｸさんの指には、リボンのモチーフが真ん中に付いた
男性には珍しい指輪。
彼はにっこり笑って、私の顔に手をかざす。
RW「彼女……うーん、僕が一方的に彼女と思ってる人(笑)」
「……？」
RW「とにかく、ﾁｬﾝﾐﾝさんが怒った理由は一つしかないんだからね？ちゃんと考えること。」
そう言って、キッと冗談ぽく睨み付けるから。
私は素直に頷いた。
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りんこ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん、コメントありがとうございます(^^)水色のカルテとこちらのカップルを気に入ってもらえてとても感激です。ナンセンスもツボってもらえて嬉しい♪ヒロインちゃん好き過ぎて重い年下チャンミンさん、最後まで可愛がってあげて下さいね^^笑 (2022年1月29日 20時) (
レス) id: d7a2e5dd40 (このIDを非表示/違反報告)
すぐり(プロフ) - ｶﾙﾃ 続きも読める様にして頂いて有難うございますm(_ _)mｽｯｺﾞｲ嬉しい…今度はあの挫けたところを突破して読めてます。ここの主人公とﾁｬﾝﾐﾝの存在が大好きで…ﾎﾝﾄ読めて嬉しい(^^)ﾁｬﾝﾐﾝのﾅﾝｾﾝｽって言葉見る度…読める幸せ噛み締めています♪ (2022年1月29日 9時) (レス) id: bd7625e3e7 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» 甘々のリョウク先輩、manmaruuさんのツボにハマってもらえたようで(*´▽`*)私も久々に読み返して、先輩に愛されてきます(笑)いつも温かいメッセージ嬉しいです。こちらこそありがとうございます！ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» manmaruさん、レンガとカルテも読んでくださったんですね！ありがとうございます、そしてお疲れ様でした(=^_^=)笑 わー、本当ですか！お話の中の彼らを気に入ってもらえて嬉しいです。楽しんでもらえてよかった♪ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - リョウクさんはちょこれーとシリーズも大大大好きでこちらのお話でも出てきてくれて嬉しいです。心が潤うお話をたくさん公開して下さってありがとうございます！！ (2019年11月18日 14時) (レス) id: 786210485f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんこ
| 作成日時：2015年7月8日 18時
