水色のカルテ

だって僕が・・ ページ13

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　「…うぅん、あれで栄養バランスは大丈夫だったかしら。」




受付でちょっとした雑務をしながら
ｷｭﾋｮﾝ先生がお弁当を食べ終わるのを待っている。



普段は外食が多いと言っていたから
出来るだけ素朴な家庭料理。

それを心掛けて献立を考えた。




ｶﾞﾁｬ…




CM「あれ…まだいたんですか。」




ﾁｬﾝﾐﾝさんが一人で診察室から出てきて。


何か言いたげにこちらに来ると
受付に置かれたうさぎのペン立てを見て吹き出す。




一緒に出掛けた時に、突然ﾁｬﾝﾐﾝさんが買ってくれたもの。


お昼にフライドポテトを食べる私の姿が
「うさぎに見えたから」という理由で。





CM「ただの冗談だから、使わなくてもいいのに…(笑)」

　「そんな。私は気に入っています。
ピンクや白ではなく、灰色だというところも。」

CM「ああ、そう(笑)」





そしてまた、愉快そうに笑う。




あ……やっぱり。


ﾁｬﾝﾐﾝさんって、いつも綺麗に皺一つないシャツを着ている。
ハンカチも、ズボンも。




彼女はいなくても
健気にアイロンしてくれる女の子がいるのかな。




なんて想像がふっと頭をよぎって…



誰もが憧れる、私とは別世界のﾁｬﾝﾐﾝさん。



そんな彼にそういった女性がいるのはあまりに当然な事で…
それ以上考えるのを、咄嗟にやめた。





　「そういえば……ｷｭﾋｮﾝ先生は、どこか体調悪いところありますか？聞いてますか？」

CM「体調？さあ……20代前半の頃に比べてスタミナがなくなった、とは言ってるけど。」

　「スタミナ、ですか。」

CM「下ネタでしょうね。」





意味がよく分からずに首を傾げたけど。



そうか、スタミナか…。


なるほど。
ビタミンBが豊富な豚肉をふんだんに使って
代謝を高めるミネラルも必要かもしれない。




　「しょうが焼きに〜…」




メモにさらさら…と書き込んでいると
ﾁｬﾝﾐﾝさんが覗き込んで。


頭上から、はあ、と深い溜息。





CM「……僕は、あいつのことを知る為の道具ですか。」





その声は…
冷静さの中に、ひたひたと確かな怒りの色があった。



…？



だけど、その意味を推し量るのは、とても難しい。


私はﾁｬﾝﾐﾝさんについて知らない事ばかりだから。






CM「悪いけど、ｷｭﾋｮﾝはあなたを好きにはなりませんよ。

だって僕が……」






"だって僕が"。



そう言ったきり、ﾁｬﾝﾐﾝさんは唇を噛んで口をつぐむ。

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