● 第1章 ● 恋人同士になるまで -CM- ページ2
-CMside-
ﾐｰﾝﾐｰﾝ…ﾐｰﾝ…
暑苦しい夏。
僕の嫌いな季節を知らせる蝉の声に
コンビニを出ると、大きな溜息が出た。
チッ……やってられない。
この暑さはナンセンス。
買ったばかりのペットボトルを首に当て
少しでも体温を下げる。
「あ、あの人！そこのクリニックのカウンセラーの人。
やだ素敵〜！」
「ほんとよねぇ〜。私も話聞いてほしいわぁん。」
…？
僕のことか？
まあ…
ここらのクリニックのカウンセラーで素敵な男といえば
大抵が僕の事を指す。
CM「こんにちは。いつでも気楽にいらして下さい？」
額の汗を拭いながら笑顔を向けると
主婦(らしき2人)はきゃきゃっと手を叩いて。
「爽やかねぇ〜！あそこはｷｭﾋｮﾝ先生も素敵だもの〜」
ｷｭﾋｮ……ふん。
またあいつか。
"モテる"という称号は、ｷｭﾋｮﾝに与えられて。
"別世界"という称号は、僕に与えられる。
それは僕とあいつが出会ってから、不変に続いている事。
別にモテたくはない。
僕はそんなくだらない事に価値を置いてない。
高3の時に予備校で仲良くなった時から
ｷｭﾋｮﾝはちゃらちゃら女と遊んで。
そのくせ、最難関の医大を一発でパスして。
医大生、研修医、勤務医…
今の心療内科を開院するに至る怒涛の年月
あいつが手を出した女は50じゃ収まらない。
CM「…では、また。」
ｶﾂｶﾂ…
主婦に爽やかな笑顔と共に頭を下げ、歩調を速めた。
CM「はぁ……分かってない、皆。」
あいつが数々の女を泣かせている間
僕も着実に、カウンセラーという夢を叶えた。
"別世界"と評される僕だって…
あいつとは違う、実のある恋愛をしてきた。
ﾐｰﾝ……ﾐｰﾝ…
ﾐｰﾝ…
…うるさい。
ナンセンス。
不愉快な蝉の鳴き声に、もう一度舌打ちをした。
*
僕とあなたが出逢うのは一ヶ月後。
坂道を転げ落ちるように、雷に打たれるように、僕はあなたに恋に落ちたけど。
神に誓う。
僕は、どんなに冴えないあなたも愛しているし
そのダサい眼鏡を外してあげる瞬間照れてしまう姿は
僕のサディスティックな心にいつでも火をつけた。
もっと、欲しい。
可愛くて仕方ない。
まぁつまりは…
最初から最後まで
僕はあなたに首ったけだった、ということ。
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りんこ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん、コメントありがとうございます(^^)水色のカルテとこちらのカップルを気に入ってもらえてとても感激です。ナンセンスもツボってもらえて嬉しい♪ヒロインちゃん好き過ぎて重い年下チャンミンさん、最後まで可愛がってあげて下さいね^^笑 (2022年1月29日 20時) (
レス) id: d7a2e5dd40 (このIDを非表示/違反報告)
すぐり(プロフ) - ｶﾙﾃ 続きも読める様にして頂いて有難うございますm(_ _)mｽｯｺﾞｲ嬉しい…今度はあの挫けたところを突破して読めてます。ここの主人公とﾁｬﾝﾐﾝの存在が大好きで…ﾎﾝﾄ読めて嬉しい(^^)ﾁｬﾝﾐﾝのﾅﾝｾﾝｽって言葉見る度…読める幸せ噛み締めています♪ (2022年1月29日 9時) (レス) id: bd7625e3e7 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» 甘々のリョウク先輩、manmaruuさんのツボにハマってもらえたようで(*´▽`*)私も久々に読み返して、先輩に愛されてきます(笑)いつも温かいメッセージ嬉しいです。こちらこそありがとうございます！ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - manmaruuさん» manmaruさん、レンガとカルテも読んでくださったんですね！ありがとうございます、そしてお疲れ様でした(=^_^=)笑 わー、本当ですか！お話の中の彼らを気に入ってもらえて嬉しいです。楽しんでもらえてよかった♪ (2019年11月19日 10時) (レス) id: f23ebc6f87 (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - リョウクさんはちょこれーとシリーズも大大大好きでこちらのお話でも出てきてくれて嬉しいです。心が潤うお話をたくさん公開して下さってありがとうございます！！ (2019年11月18日 14時) (レス) id: 786210485f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんこ
| 作成日時：2015年7月8日 18時
