47. せいぜいお幸せに ページ47
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あれから、数ヶ月。
涼介「 お前はさぁ……控えめに言ってうざい 」
雄也「 ただのクソガキ 」
「 ぶっ…!」
裕翔「 え?ちょ、俺泣いていい?」
高木さんと涼介くんが顔を見合わせて笑う。
その顔は、優しさで溢れてた。
涼介「 伊野尾ちゃん、こいつ相当しぶといし面倒くさいけど……いい奴だから。そこは俺が保証する」
雄也「 真面目すぎて一周回ってバカなんじゃないかなって思うときもあるけど、純粋で可愛い奴だからさ」
裕翔「 …っちょっとぉ…式前に泣かさないでよおー!」
雄也「 あはは。新郎がなんつー顔してんだよ 」
涼介「 きったねーな、ほら鼻水拭けっ…て、ばかおい!抱きつくなっ!」
裕翔「 もーっ、ほんと大好きだよ!マイフレンド!」
雄也「 ハイハイ。おにーさん野郎と抱き合う趣味ないんで離してねー 」
小さな子供みたいに、泣きながらくしゃっと笑う裕翔くんにキュンとする。
慧さんって言いながら俺に頭を撫でられてるのも大型犬みたいで…なんか…っ
「 か、っ……可愛いっ!」
裕翔「 えー?!そこは格好いいでしょ?!」
手持ちの白いハンカチで涙をぽんぽん拭うと、途端に甘い視線を向けられる。
さっきまで年下感を出していたくせにすぐ大人びた表情をしてくるのは心臓に悪いからやめてほしい。
涼介「 んじゃ、俺らはそろそろ会場行くわ 」
裕翔「 うん。ありがとね 」
背中を見せる前、にやりと笑った涼介くんが手をヒラヒラさせて歩き出した。
涼介「 せいぜいお幸せに 」
幸せになるし、するよ。絶対。
裕翔「 …冷やかすのが好きな人たちで困っちゃうねーほんと 」
白いタキシードを着たいつも以上にかっこよすぎる裕翔くんを直視できない。
なんなの?君は前世でどんな徳を積んでそんな素晴らしい顔を神様に貰ったわけ?
そんなことを思いながらその胸へ縋った。
裕翔「 あー、マジ天使。やっぱりドレスにして正解だった 」
「 こんな年した男でメイクさんには申し訳なかったよ…」
裕翔「 いや彼女たちめちゃくちゃ楽しそうだったじゃん。慧さん可愛い!やだ、お肌ピチピチじゃない!……ってね。」
「 あはは、似てる!」
裕翔「 こうやって、笑い合って生きてこうね 」
お前が押してた俺は、
この人が受け止めてくれたよ。
永遠を誓ってから、会いに行くから。
覚悟してろよ?
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伊野尾様love.@七星 - こんなに素敵なBLがあっていいものでしょうか…泣。なんなら私、見出し?というか目次で泣いてましたから←。神楽様の語彙力が凄まじいからです…!私もこんな小説がかけるようになりたいな…とつくづく思いました。ありがとうございました!! (2019年12月26日 3時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 神楽さん» これからも楽しみにしています。更新頑張ってください! (2018年5月1日 0時) (レス) id: 8fb5d7b3b8 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - りぃさん» ご指摘有難うございます。先程の更新で変更させていただきました。これからも神楽共々「雨宿り〜」を宜しくお願い致します。 (2018年5月1日 0時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - ここみさん» ゆといのはほんとに素晴らしくて神楽も大好きなカップリングの1つなので是非楽しんでくださいね。そしてゆといのを書かれてる素敵作者様たっくさんおられるのでそちらにも是非! (2018年5月1日 0時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 神楽さん、初めまして。神楽さんの色々な作品をいつも楽しませて頂いております。17ページで気になるところがあるのですが、「喫煙」ではなく、「禁煙」ではないでしょうか…?喫煙でしたら煙草を吸うという意味になってしまいます…!私の勘違いでしたらごめんなさい! (2018年4月30日 20時) (レス) id: 8fb5d7b3b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神楽 | 作成日時:2018年4月1日 15時