16. 耽溺に美酒を ページ16
yt side
涼介「 …ヒカルさん、懐かしいなあ 」
カラン、と鳴った氷。
白い手でグラスを傾けながら、涼介が遠い目をした。
「 あの頃はよく二人で美術室に押しかけてたよね！」
涼介「 だから数年間だけ造形コースの倍率高かったの知ってたか？」
「 えっ、そうだったの？！」
涼介「 そー。お前はともかく俺はもうすでに芸能界入りしてたし 」
造形メディアのフォトグラフ科だった俺。
勿論、グラファーになるつもり満々だったけど一度だけ心友のやまに頼まれ助っ人として撮影に参加したのをきっかけにモデルもすることになった。
今は有り難いことに専属までさせて貰って、カメラマンのアシスタントとの両立も出来てるしかなり充実してる。
やりがいとか、夢に着実に近づけてるって感じられるのも強みだと思う。
『 助けてくれて、ありがとう…っ』
だけど慧さんに出逢って、恋をして、俺は初めて��余裕��っていうのがなくなった。
いつも何となく出来てしまってた自分が、本気になれたのに我ながら驚くよ。
「 何となく、似てる気しない？ヒカルさんと慧さん」
涼介「 盲目と言いたいとこだけど…言われてみりゃあ確かに似てるわ 」
雰囲気っつーの？と頬杖をつきながら涼介が目を細め下唇を噛んだ。思い出そうと記憶を探る時の癖だ。
「 綺麗だし、儚げなとこも似てるんだよなぁ…」
涼介「 いのおちゃんのが薄いけどな。」
「 ヒカルさんもかなり細かったけど、慧さんは線が細いんだよ。肩とか腰とか 」
涼介「 控えめに言ってえろい 」
「 ……ちょっと、やま？慧さんのことどんな目で見てんの 」
涼介「 安心しろよ。俺のタイプじゃねえ 」
そう言って、ケラケラ笑う。
大方俺を揶揄いたいだけなんだろうけど…あの山田涼介が恋敵なんて絶対嫌だから寒気がした。
…そーいえば、もう何年も友達でいるけどやまの好きなタイプとか聞いたことなかったな。
「 じゃあさ、やまのタイプって？」
涼介「 あー……俺のタイプねぇ…」
多感な学生時代に何でその類の話をしなかったのか不思議なくらいだ。
ソーダ割りのバーボンを堪能しながら視線を動かして驚く。やまが、頬杖をついたまま俺をジッと見つめていたから。
甘くて熱い目に、思わず息を飲む。
動いた唇が官能的に艶めいた。
涼介「 裕翔……って言ったら、どーする？」
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伊野尾様love.@七星 - こんなに素敵なBLがあっていいものでしょうか…泣。なんなら私、見出し？というか目次で泣いてましたから←。神楽様の語彙力が凄まじいからです…！私もこんな小説がかけるようになりたいな…とつくづく思いました。ありがとうございました！！ (2019年12月26日 3時) (
レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 神楽さん» これからも楽しみにしています。更新頑張ってください！ (2018年5月1日 0時) (レス) id: 8fb5d7b3b8 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - りぃさん» ご指摘有難うございます。先程の更新で変更させていただきました。これからも神楽共々「雨宿り〜」を宜しくお願い致します。 (2018年5月1日 0時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - ここみさん» ゆといのはほんとに素晴らしくて神楽も大好きなカップリングの１つなので是非楽しんでくださいね。そしてゆといのを書かれてる素敵作者様たっくさんおられるのでそちらにも是非！ (2018年5月1日 0時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 神楽さん、初めまして。神楽さんの色々な作品をいつも楽しませて頂いております。17ページで気になるところがあるのですが、｢喫煙｣ではなく、｢禁煙｣ではないでしょうか…？喫煙でしたら煙草を吸うという意味になってしまいます…！私の勘違いでしたらごめんなさい！ (2018年4月30日 20時) (レス) id: 8fb5d7b3b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神楽
| 作成日時：2018年4月1日 15時
