セクゾ兄弟はお医者さん

急性気管支炎 ページ5

M.Yside



業務後に図書室に寄って資料集めをしていたら、気付くと時間は夜の19時半過ぎ
慌てて家に帰ると既に帰宅したお兄ちゃん達は夕食も食べずにボクの帰りを待っていてくれた



マ「先食べてて良かったのに！待っててくれたんだありがとう！お待たせしてごめんねっ
…って、健人兄ちゃんは？」

聡「気管支炎出ちゃったみたいで、今部屋で休んでる
咳が止まらないくらいで他は大丈夫っぽいけど
出来たら後で見てあげて」

マ「え！そうなの？
ボク今回気付かなかったな…わかった！あとで部屋行ってみるね」



気管支炎って聞いてびっくりしたけど、聡ちゃんから聞く限りあんまり酷くないみたいで安心した
症状は風邪の延長みたいな感じだし、患者さんも何人も見てきてるから対処法はわかってるけど、いざ家族ってなるとやっぱり身構えちゃうんだよね



コンコン

マ「健人兄ちゃん？入るね」

健「ゴホゴホゴホッ…ﾊｧ…マリ、おかえり…」


寝ているかもと思ってゆっくり物音を立てないように部屋に入ったけど、どうやら咳が止まらなくて眠れていなかったみたい



マ「調子どう？胸は苦しくない？」

健「全然っ…平気、ゴホゴホッ
…咳がとまらないのが、厄介なだけで…コホッ」

マ「そっか、ちょっと胸の音聴かせてね」


服の隙間からそっと聴診器を当てさせてもらう
…うん、確かに肺雑もないし喘鳴もない


マ「咳止めと、あと水分摂ってゆっくり休んで」

健「うん…ゴホゴホ…疲れてるのに、悪いな」

マ「全然！忙しいのはお互い様だし」




昼間顔見知りの薬剤師さんに貰ったらしい咳止めをもう一錠飲んでもらって、少し効いてきたのを確認してボクは部屋を出た



咳が止まらないとゆっくり休めないし、仕事も集中できないだろうから可哀想
治るにはもう数日掛かるし、暫くは注意して見てなきゃなって、健人兄ちゃんの回復を願いながらボクはリビングへと戻った

急性気管支炎→←急性気管支炎

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す