セクゾ兄弟はお医者さん

マールブルグ病 ページ37

F.Kside



1日に色んなことがあり過ぎて、疲れ切った肉体とは対照的に、どうしようもない不安感に駆られて目が醒めてしまう

自分のベッドに潜り込んでからもなかなか寝付くことが出来ず、兄貴は今どうなっているのか、ちびたちはどうしているのか、そんな事ばかりをぐるぐる考えて、眠れない夜を過ごした






風「……っ！！！やば、仕事！！！」



そして次に目を覚ましたのは翌朝の10時過ぎ
出勤時間をとっくに過ぎた時計の針を見て一瞬慌てふためいたが、すぐに勤務表を見て息を吐いた


風「………はぁ、今日休みじゃん」



とりあえず無断欠勤にはならなかったことに安堵してスマホを見ると、あり得ない数の通知が

名前を見るとそれらは全て勝利とマリウスからで、しかもLINEだけでなく電話も何十回と掛かって来ていた


ーーー兄貴に何かあったのか

嫌な予感がした俺は、慌てて勝利に連絡を入れる




風「勝利？？！昨日電話出れなくて悪い！
夜中何かあったのか？！」

勝『あぁ、おはよう風磨兄ちゃん
実は昨日の夜健人兄ちゃんがまたショック症状手前まで悪化して、それで風磨兄ちゃんにも連絡入れたんだ』

風「えっ…」



悪い知らせにドクリと心臓が鳴る



勝『あ、でも今はもう落ち着いてるから安心して！
ただ聡が夜勤あるのにちゃんと休めてないからさ、出来れば早めに来て休むように言ってほしいかな』

風「そ…そっか、とりあえず無事ならよかった
お前らも大変だったのに気付かなくて悪い
わかった、着替えたらすぐにそっち行くわ」


一瞬肝が冷えたが、勝利の声色からも急を要する事態ではないことが窺える
それに少しだけ安堵して俺は急いで病院に向かった






マ「風磨兄ちゃん、おはよう」

風「…はよ、お前らずっと兄貴のとこいたのか？
仮眠は？」

勝「ちょっとは寝たよ、ね？」

聡「うん！意外と寝れたよ！」

風「とか言って隈出来てんじゃねえか
とりあえず聡は一回こっち来い」




俺と勝利とマリウスは今日休みだからいいものの、聡はこのあと夜勤帯で勤務がある
ただでさえ激務な看護師が仮眠程度で働くなんて、それこそ体を壊さないか心配だ

俺は病室に残るとぐずる聡の肩を掴んで、強引に近くの仮眠室に押し込んだ



風「ちゃんと連絡するから心配すんな
救外のスタッフもみんな分かってるから、なんかあった時は抜けさせてくれって俺も特別に頼んどくし」

聡「……」



俯いたままの聡の頭をくしゃりと撫でて
俺は再びICUに戻った

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