セクゾ兄弟はお医者さん

腸閉塞 ページ12

F.Kside



今日は久々の丸一日オフ
溜め込んだ疲れを癒すのにもってこいな日だが、ダラダラ寝て過ごすのは性にあわなくて、俺は朝から近所をジョギングして戻ってきた


勝「ただいま…」


軽い運動でスッキリ目覚めて、優雅にコーヒーをいれて鼻歌なんかも歌っていた上機嫌な俺の元に、聞き慣れた、だけどいつもよりかなり覇気のない声が届いた



風「どうした勝利…ってか顔色悪！」

勝「なんか、気持ち悪くて…」



そう言う勝利の額には薄らと脂汗も浮かんでいて、本当にしんどそうだ



風「とりあえずベッド行くか」



勝利から荷物を奪って自分の肩にぶら下げ、フラフラしている勝利の身体を支えながら部屋に向かう



ゆっくりとベッドに下ろすと顔を顰めお腹の辺りを庇うようにして蹲る勝利
腹でも壊してしまったんだろうか、腹痛の痛みは世界共通で誰しも通ずる苦痛なので想像がつく
そして想像がつくからこそ可哀想に思えた




風「ごめん、ちょっと触るな？」


断りをいれて勝利の薄い腹に触れて気付く違和感
めちゃくちゃ硬い
…というめちゃくちゃ張っている



風「勝利これいつから？」

勝「みっか…前、くらい…っ！ゔぅっｵｪｯ」

風「勝利っ？！」


俺の質問に答えたかと思うといきなりえずきだし、そしてそのままベッドに嘔吐してしまった勝利
とりあえず身体を起こして、適当に近くにあったゴミ箱を手繰り寄せて残りをそこに吐かせる




腹の張り、嘔吐、食欲不振、腹痛
これらの要素が揃うと自ずと頭に浮かぶ名前



風「イレウスか…勝利、病院行くぞ」



俺の言葉に力無く頷く弟の姿
普段物凄くしっかりしている分、頼りなさげなその姿に胸がぎゅっと苦しくなった

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