セクゾ兄弟はお医者さん

急性気管支炎（健人） ページ2

K.Nside



健「ゴホッゴホッゴホ」



医局で文献を眺めていると急に乾いた咳が出た

このところ微熱が続いていたこともあり、頭の中で少し嫌な予感が過ぎる


幸い微熱が出ていても鼻水や喉の痛みといった一般的な風邪症状もほとんど出ていなくて、恐らく今のところは弟たちに不調は全くバレていない


それがこう咳となって出てくると、同じ屋根の下に暮らしていて指摘されない訳がなくて……



健「やべぇな…とりあえず咳止めなきゃ」



そう独り言を呟いて俺は薬剤局に向かった







浮所「え！健人先生！！
会いに来てくれたんですか？！」

健「いやまあ会いに来たというか…うん」


俺を見てキャーとかワーとか憧れのアイドルでも見たようなリアクションを取っている目の前の彼
彼は薬剤師の浮所くん
色々縁があって交流するようになり、院内処方で困ることがあったらよく相談させてもらったり、優遇を利かせてもらっている


浮所「何か必要な処方ありました？」

健「えーと、ちょっと咳止めがほしくてさ」


そう言いながら適当に知り合いの医師に出してもらった処方箋を浮所くんに手渡す
それを見てなんとなく事情を察したらしい彼は快く薬を出してくれた


浮所「副作用も少なめで即効性もあります
ただ長く続くようならちゃんと再診して下さいよ！」


健「わかってるって、ありがとな」


そう言ってブンブン手を振っている浮所くんに軽く手を振り返して、俺は医局に戻った






薬を飲む前にコンビニで適当に買った昼食用のおにぎりを頬張る。ただ微熱が続いてるせいか、食欲は湧かないし食べ物の美味しさもあまり感じられなくて、一つ食べ切る前に限界がきてしまった


残してしまう罪悪感を感じながら片付けて、先程浮所くんからもらった咳止めを流し込む


どうか家に帰る頃には効いていますように…！


そう念じながら俺は午後の診療に向かった

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