第四十九話 笑いは無し ページ6
「面白い話、ですか」
「そう、非常に興味深い話だ」
此方を見向きもせず自分の役割に没頭する彼。
「君は、接吻で人を殺すだろう?」
「ええ……まぁ」
それが、どうかしたというのか。
「接吻すると、一秒間に二億個の細菌が口の中を行ったり来たりするらしいよ」
「えっ」
少しだけ想像してみた。
とても後悔した。
「うはははは!
実に滑稽な、苦虫を噛み潰したかのような顔だ!」
大声で笑ってからかいながら向かってくる基次郎様の手には、
大量の粉末が入った小瓶があった。
「また無くなったら来ると好い」
「お陰様で助かりました。有難う御座います。
では失礼します」
ぺこりと頭を下げると、基次郎様は片眉を器用に上げた。
「……うん? なーんか引っかかるような……」
「そうで……しょうか?」
しどろもどろに話せば、「それだ」と、指をパチンと鳴らす。
「言葉に蟠りが無かった」
まるで
心の無い、を加えて。
――科学の中に、心理学は有っただろうか。
「まぁ、蟠りが無い方が僕としては早急に物事が進んでいいケド。
君に限って言えばその限りではないかな」
私は私らしくいればイイ、ということだろうか。
――……嗚呼、物事を都合よくとらえてしまった。
(“なまもの”め)
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臣民(プロフ) - みぃさん» ここまで閲覧して頂き、誠に有難う御座います! 私が書く森さんはただでさえぶっトんでいるのに次回作は更にそれを加速させそうです(苦笑) 少女漫画の様にまたキュンキュンとさせられることを目標に、頑張ります! (2018年7月16日 13時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 幸せな終わり方でしたね!! キュンキュンしました! 次回作楽しみにしています! 完結お疲れ様でした! (2018年7月16日 7時) (レス) id: d688bcfef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2018年5月27日 18時