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第二十三話 世俗自叙伝 ページ25

――大通りのすぐ近くの喫茶店でいつもの珈琲を飲む。


「ふぅ…………」


温かい日光を浴びることができる窓際の席。
落ち着いた雰囲気の内装が、心を落ち着かせる。

ふと、懐中時計を確認する。

時刻、猿の刻前。
某企業との対談後の一息。

未だに口の中に残る珈琲の風味を楽しむ。

この店の珈琲は確かに旨い。
だが、“うずまき”の方が――


「…………」


……この感情は一種の“親莫迦”と言うモノに近いのだろう。


「すみません」


此の国特有の呼掛(アテンションプリーズ)に反応する。


「混んでいるので、相席してもよろしいでしょうか」


目の前の女性……否、少女は困ったように笑う。

丸いポシェットを肩に掛け、白いワンピースを着ている。
服の丈が合っていないのか、すらりとした足が大胆に晒されている。

少し動けば、見えてしまう程に。
まるで、夜鷹の様――

そこで、自分が貞操観念が低いことを考えていると悟り、
冷静に思考回路を断つ。


「あぁ、構わない」


少女の言葉を否定する理由が無い。
肯定すれば、いそいそと私の正面に座る。


「……何か、お仕事をしているのですか?」
「あぁ、社長を生業としている」


珈琲を啜りながら、
少女から発せられた質問に答えて行く。

――そこで、妙な違和感を覚えた。

その違和感の正体を暴くため、席を立つ。
少女が少し驚いた顔をした。


「もう行かれるのですか?」
「いや、だがすぐに戻る」


そう云って店内を徘徊する。
その内、違和感は確信へと言葉を変えた。


 


(疑念を晴らす)

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 森鴎外   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 1でお願いします! 更新頑張ってください!!続き楽しみにしてます!! (2018年4月8日 21時) (レス) id: 7443137317 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - みぃさん» 原作第五十話に続くような形で書かせて頂きました。二三回読める話をモットーとしておりますので、深く考えていただけたら嬉しい限りです。更新頑張ります! (2018年4月7日 11時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 最後ので涙がブワッと…エリスちゃぁぁああん!! 更新楽しみにしています! (2018年4月5日 16時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - **楼椛**さん» いえいえ!応援有難う御座います。たっぷりお楽しみください! (2018年3月26日 20時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
**楼椛** - 初コメ失礼します!今日初めて拝見させていただいたのですが、とても面白いです(ありきたりな言葉ですみません) 更新頑張ってください!これからも森さんを楽しみにしてます!←← (2018年3月26日 19時) (レス) id: e7e0abd8b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:臣民 | 作成日時:2017年10月22日 9時

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