ささえあい。 (ページ41)

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夏の暑い日にはビールに尽きる

そう誰かが言いました。

「Aちゃん飲んでるー？」

『はい、飲んでますよ』

「いや、飲んでないじゃん！まだ1杯目！」

『高橋くん！？』

「折角なんやから飲まな～」

『うえぇ…』

練習後のスケジュールが会う人達だけで集まった飲み会。個室だからプライバシー的なところは勿論、大丈夫。そもそもこうなった理由は私にお酒を勧めた人にある。

『清水さんは飲みすぎだと思いますよ』

「そんな事無いって。通常運転やで～！」

通常運転なら名前で呼んでないですよ。
私の周りでは小野寺くんと藤井さん、大竹くんがワイワイガヤガヤと飲んでいて、そこに乱入する形で清水さんがやって来た。少し離れたところではマサさんと石川くんと高橋くんと関田さんが飲んでいる。

『明日も練習なんですから、二日酔いだけはやめてくださいね』

にっこり微笑んで優しく言うと、ぐびっと陽気にビールを飲んだ。まあ…この人に限って二日酔いは無いから大丈夫かな…

「大丈夫やって～。折角、初めてAちゃんが飲み会に来てくれたんやもん、盛大に飲まな！」

『うっ…』

それだからか、私にお酒を勧める。

『このカシスオレンジ、お酒強いんですよ…』

「さっきと色違うもんね…」

明らかにオレンジジュースの割合が少ない紫色がなかなか減らない中、小野寺くんはかっこよく日本酒を飲んで、ハイボールやらウーロンハイやらと皆もご飯をつまみながらワイワイガヤガヤとしていた。それが何だか、あの頃を思い出させる。

『……』

やっぱりこういう雰囲気は好きだ。代表に関わるまではマサさんと一緒に飲んでて、その前は昴くんとも飲んでいた。あの頃が懐かしくて思い出される…3人で飲んでいたあの楽しかった日々…

「寺島さん、お水」

『…え、あ、ありがとう』

気付けば小野寺くんがお水を頼んでくれていた。

「酔っちゃった？俺飲もうか？」

『ううん、大丈夫。全然平気』

代表前の私を知っているのはマサさんと何故か石川くん。そう、石川くん。何処で知ったのか、イタリアに行く前に聞かなくちゃ。

『うん』

酔っていても覚えておこうと首を縦に動かした。