Love T-Rain【Kaz・N 0617BD/2014】 (ページ16)

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16両目ページ16

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「毎朝、ぎゅうぎゅう詰めの電車なのにご機嫌で音楽聞きながら乗ってて

たまに声出さずに歌ってたろ？」

満員電車でじっとしてるととっても辛いから音楽聞いて気を紛らわせてたけど……

「その様子がさ、可愛いなぁって思ってた」

ちょっと下を向いてくすくす笑いながら話す二宮さん。

「でもたまに泣きそうな顔してるときあって

唇切れんじゃねーのってくらい口結んでる時があってさ

で、やっべ、この子痴漢にあってんじゃんって気づいたんだよね」

「だからできるだけAちゃんの側にいて嫌な思いしないようにって思ってた」

……全然気づいて無かった

前からなんて

知らなかった

「でもさ、アナタ高校生でしょ？

俺じゃないほうがいいだろうっていうのが大人の俺の考えだったのよ」

ちょっと困ったように眉毛を下げて笑いながら話してくれる。

「でもね、自分で考えてたよりアナタに嵌ってたみたい、俺」

少し離れていた体をまた抱き寄せられる

小柄だと思ってたけどちゃんとオトコの人の胸と腕に抱きしめられる。

「Aちゃん、俺に誕生日プレゼント頂戴」

さっきから自分の胸の音がうるさい

二宮さんの言ってる事を少しも聞き逃がしたくないのに

「今日からさ、俺の女の子でいて？」

……心臓ってほんとにきゅんってするんだ。

ぎゅっと二宮さんのスーツを握りしめる

うん、うんって頷く

「二宮さんが大好きです。

お誕生日おめでとうございます」

「ん、あんがと。」

「Aちゃん受験頑張ってよ。

でさ、制服着なくてよくなったら次は俺の女の人になって」

胸がぎゅってなる

こんな胸の痛み知らない

さっきよりも深い痛み

甘くて切なくて

私はまたうんって頷くしかできなくて

勉強がんばんなきゃ、ちゃんと大学生になんなきゃ

そう何度も自分に言い聞かせた。

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