30 回想 ページ31
廉が帝になった。でも、戦の状況は悪化する一方。
帝になった次の日、ついに廉が戦に向かうことになった。
「…………」
戦の準備をする廉に何も言えない私。だって…私でもわかるよ………今いったら……二度と帰って来られないことくらい…
廉「A……」
「え?」
突然話しかけてきた廉。
廉「お前は実家に帰れ」
「なん…で…」
廉からいわれた言葉は予想もしていないものだった。
廉「あと……母上と大吾と流星も連れってくれ」
わかってるよ。廉が誰よりも優しいこと。だから、せめて私達だけはって思ったんだよね?でも……
「………廉だけをおいていけない。」
私の答えは揺るがない。
廉「お願いやから…みんなだけは…Aだけは生きてほしいねん」
「いや!私もここに残る!」
廉「A!俺の最後の願いや……頼むから…生きてや…」
「……廉」
廉は目を赤くして言う。私は幸せ者だな…こんなにも優しい人に愛してもらってたんだ。
本当だったらこのまま何もかも投げ捨てて逃げてしまいたい。でも、廉は帝。私は皇后。もう子どもじゃいられないんだ。
大「廉!俺も連れてってや!」
廉「大吾!お前…」
突然部屋に飛び込んできた大吾は開口一番そう言った。
大「俺ら親友やろ?もちろん最後まで一緒やんな?」
廉「でも…」
流「A様のことは任せて下さい。僕がおそばに居ます。」
「流星!」
流星も入ってきた。
廉「流星……でも、母上は……」
母「私も残りますよ」
廉「母上!」
母「ここにはあの人との思い出が多すぎるの。離れられないわ」
廉「大吾…流星…母上…A…ありがとう」
大「よし!廉、行くで!!」
ついに廉が行ってしまうんだ…
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作者名:L | 作成日時:2015年7月25日 23時