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私がなぜ桜並木の下を歩いているかと言うと、今日が高校の入学式だから。今まで通えても中学校までだったから楽しみなんです。
私が選んだのは家から一番近い所。学力はまぁまぁ。
「うわー…」
校門の前に立つと高校生になったと言う実感が湧いてきた。
体育館に入ると結構早く来たはずなのにもうかなりの人が来ていて、体育館はざわついている。
こういうのなれないんだよねー。平安時代では、一つの場所にこんなに人が集まることはなかったから。
クラスは事前に知らされていたから、自分の席を探して座る。
？「えっ…A…様？」
隣から声がする。すごく懐かしい声が。見てみるとやっぱり見覚えのある八重歯の男の子。
「だい…ご……？」
驚きすぎて、それしか言えなかった。隣にいたのは確かに大吾だった。
大「はい！大吾です！1200年ぶりくらいですか？やっと…やっと会えました…」
「大吾！！…会いたかった…！懐かしい…」
思わず大吾に抱きつく。懐かしいぬくもり。大きな声になってしまったけど、周りもうるさいから問題ない。
大「もう随分たちましたから…俺も会いたかったです…ずっと…」
大吾はそう微笑んだ。その笑顔も懐かしい…
「大吾も生まれ変わってたんだね」
大「はい。もう何度も…A様と廉と流星を探して…」
「廉と流星は……」
一番聞きたかったことを聞く。
大「…会えてません。廉は平安時代の戦で倒された姿を見たのが最後です。その後すぐに俺も倒されてしまい…廉を助けられずに申し訳ありませんでした…」
大吾はそう謝った。廉の最後…初めて聞いた。
「謝らないで、私と流星も二人の戦死の連絡を受けてすぐに敵に包囲されて…屋敷に火を放たれて死んじゃったの」
大「そうだったのですか…。廉は最後までA様だけはって言ってました…」
「そう…だったんだ…」
廉…貴方はいったいどこにいるんですか？
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作者名：L | 作成日時：2015年7月25日 23時
