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渡信天翁 ーMAESUTHIAー ページ49
太陽が沈む地平線をじっと見ていた。
イ「マエスティア？帰るよ？」
マ「うん…」
今日はイーラと親父への仕事の報告。
そして…またあの家に帰らなければならない。
マ「イーラ…」
イ「ん？どうした？」
マ「俺たち…何のためにこんなことしてるんだっけ…？」
夕日に照らされたイーラは振り返る。オレンジに染まるイーラの表情は見えない。
イ「ウィンクルムに復讐するため、だった。でも…俺ももうわからないよ。」
ディアプトラが来てからの俺たちはどこかで間違った道を進んできた気がする。
イ「…でも…ここまできちゃったんだ。もう…戻れない。」
マ「うん…」
進むしか、ない。
マ「…望むなら、何事にも囚われない自由がほしい。」
イ「全部終わったら、きっと…手に入るよ。帰ろ？」
マ「うん。」
イーラはそう手を伸ばしてくれる。
例えこの先の道が地獄だったとしても、イーラが居てくれれば…
俺の隣で笑うのはいつだってイーラだよ。
茜色の中で二つの手は重なる…
刻々と過ぎる季節は俺たちを連れていく…
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
