筑紫鴨 ーDaigo.Nー ページ28
あの日から、紫耀は家に帰って来ていない。
次の日の昼過ぎ、家を出たまま音信不通。
………俺のせい、やんな…
悩んで、迷って、言葉にしたあの一言はきっと、紫耀を傷つけた。
あぁいう見た目で誤解されがちやけど、紫耀はほんまは傷つきやすくて、脆くて、一人で背負い過ぎて自分を追い詰めてしまう。
背負い過ぎるのは、ウィンクルムのメンバー全員に言える事やけど、紫耀はその中でも特別純粋で…身体も弱いんや。
だから、心配や。
どこかで野良猫のように倒れていないか、一人で苦しんでるんじゃないか。
康「心配？」
大「ん？あぁ…おん。多分、紫耀が帰ってこないのは…俺のせいや。」
いつの間にか窓際の俺の隣には康ちゃんがいた。
康「紫耀なら、大丈夫や。」
大「なんでそんなこと言えるん？」
康「…もう知り合って何年経ってると思おてるん？…俺は、紫耀を信じてる。」
大「でも………」
あの日、紫耀の表情が曇ったのを俺は見た。
儚くて、今にも壊れそうな顔。
あの日感じた罪悪感は俺が意識するほど、大きく黒くなる。
紫耀、今はどこに居るん？
帰ってきて…
外は厚い雲に覆われている。
そういえば…今月、やな…
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
