僕らのヌナは、今夜も僕らの夢を見る[SVT]

＃偏見がすごい ページ10

____ジョシュアside






僕たちの日本での最初はテレビ収録だった。


数年前ならきっとネット配信が関の山だったけど
全国放送のテレビ番組に呼ばれるようにまでなったのはなんだか感慨深い。



「シュアヒョン…テレビ局って世界共通でこんなに迷路みたいになってるんですかね」

バノが迷子にならないように服の裾を掴みながら言ったスングァンに

「あぁうん、テロ対策で世界共通らしいよ」

って不確かな知識を提供しておく



「なのに何でうちのヌナ迷わず歩けるんですか？」

”ヌナ”って言葉にAが反応してこっちを見た。

日本に着いてから今日はご機嫌が良い。
というのも今日僕たちが呼ばれた番組は
敬愛する日本の某気象系アイドルとコメディアンが司会の番組だからだ。

「子役の頃、よく着た局だから体が覚えてるの。
…あとは翔くんに導かれてる」

そう、その”翔くん”が問題。

僕たちがライブする上で日本の先輩アーティストとして敬愛する方と
Aはその昔共演した…っていうのをたった昨日聞いた。

普通だったら自慢しまくるでしょ、なんてことを考えてたら
スタジオについてしまって、中にはカラフルな大きいセットがあった。

『翔くん！』

Aの声にセットの中にいた男性が顔を上げて
Aを認識すると笑顔でてをふる…。


まって、Aが僕ら以外の男の人とこんな親しげにしてるの見るの初めて何じゃない僕？
僕たち以外の韓国人ナムジャに関わる機会ほとんどないから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。

そんなに親しくされると…ちょっと焼いちゃうよ？


「ヌナ、男の人とフツーに話せたんだ…」

優しいドギョマがハンカチで頬を拭う仕草をした。

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