僕らのヌナは、今夜も僕らの夢を見る[SVT]

＃弁護士案件再び ページ14

___ドギョムside



『このひと あってますか？』

ミンギュが”その人”の画像を検索して確認してもらった。

今回の作戦はこうだ。
まずチャニがヌナをスタジオから連れ出す。
その隙に僕らの乏しい日本語と頼もしい通訳さんと”翔くん”に話しかける。
そして今までヌナに何があったのか聞き出す。

『はい、その人です』

こくこくと頷く”翔くん”は無理やり証言させられた被告人を連想させた。

＿＿もし個人情報保護法で訴えられたらプレディスまで御一報ください。
と心のなかで詫びておく。


「これで分かったな、なんであの美人が自己肯定感さら地なのか」


ハニヒョン、その笑顔、人でも殺るんですか？


まあでも無理はない。
10歳の頃のヌナが大人の男性から辛辣な言葉を浴びせられてたんて想像もしたくない。
10歳の頃のヌナがどれだけ可愛かったことか。

ちなみに僕もスングァナからもらってヌナの幼少期の画像を財布に入れてる質だ。

ちょうどその時犠牲者から…じゃなくてチャニから連絡が入った。



＿＿ドギョミヒョン、限界です
ヌナ、薬買いに行くってききません。


チャニのことを心配しすぎてなりふり構わず薬買いに行く姿…
うんめちゃめちゃ想像つくな。


「ヒョンたち、ヌナが暴走し始めました」


多分みんなも想定内の同じ姿を思い浮かべたから
”翔くん”と通訳さんに丁重にお礼とご挨拶をしてヌナの元へ向かった。


「大丈夫です！！！治りました！！！
緊張してただけだと思います！！！」

「いいや良くない！！！
バカでかいステージであれだけ堂々と踊るイ・チャン氏が
こんなちっぽけなスタジオでお腹痛くなるはずがない!!断じてない！！！！」


やってるよ…それも結構激しめに。
ちっぽけなスタジオ、が韓国語で良かったと思う。


「ヌナ、どうしましたか？」
「あ、ドギョマどうしよう、私のせいでチャニが大病にかかってたら…。
何で気が付かなかったんだろう…髪の毛1センチ切ったのにも気付けるのに…」

ツッコミどころが多いときは全部スルーすることに決めている。

「あぁ〜そういえばチャニ、飛行機乗る前にチョコレート食べてたでしょ？
飛行機で体にかかる気圧とチョコのカカオが稀に腹痛引き起こすらしいよ」

シュアヒョンが息をするように嘘をついてヌナは動きを止めた。

「本当ですか？」
「うん、だから落ち着いて。チャニこっちおいで」

まるで人質の解放を求めているみたいだった。

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