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「はぁ〜……キッドにまた逃げられちゃったよ」
今日は土曜日。
キッドが犯行したのは昨日のこと。
私は今、青子ちゃんの家に遊びに来ている。
「ははっ!やっぱりキッドはすげぇな!」
──────いつもの三人で。
「それにしても……Aちゃんすごいよね!怪盗キッドと話したんでしょ!?」
「うん……なんだか黒羽くんに似てたよ」
笑いながら言うと、黒羽くんはあからさまにビクッと肩を揺らした。
「は、はは!キッドが俺に似てるとか、嬉しーな!」
その姿は笑ってはいるようだけれど、かなり動揺しているよう。
もしかして、黒羽くんがキッド………
ありえないその一つの可能性に、首を左右に振って自嘲した。
「てかよぉ!青子のことは名前呼びなのに、何で俺のことは苗字呼びなんだよ!?」
黒羽くんのイキナリすぎる発言に、そういえば、と頷く。
確かに、黒羽くんだけ何で苗字呼びにしてるんだろ……考えたこともなかった。
「なんていうか………尊敬?みたいな」
「快斗って呼んでくれよ!」
なんか快斗って呼ぶの……少し恥ずかしいな。
「うん、分かった………か、快斗」
キラキラと目で訴える彼を見て小さい声でその名を呼ぶと、彼はとても嬉しそうに笑った。
隣を見ると、ふっくらと頬を膨らませてつまらなさそうにする青子ちゃん。
あ……そっか。
黒…快斗はどうか分からないけれど、青子ちゃんはきっと快斗のことが好きなのだろう。
そんな青子ちゃんから見れば、快斗が他の女子と仲良くするのは確かにつまらない。
「あ、私……トイレに行ってくるね」
なんだかこの空気に耐えられなくなって、私は思わず席を立った。
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華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時