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「えっ……青子ちゃんのお父さんって、警察だったの!?」
.
美術館に着き、宝石はどこで展示しているのかを警察っぽい人に聞くと、
「お父さん!」
と青子ちゃんが後ろで叫んだ。
お父さん?
と頭にクエスチョンマークを浮かべながら聞くと、どうやら警察っぽい彼は青子ちゃんのお父さんらしい。
黒羽くんはなぜか苦笑い。
……そして話は冒頭に戻る。
「どうも、青子の父の中森銀三と申します」
「あっ、どうも!青子ちゃんの同級生の緑川Aといいます」
それにしても、頼もしそうなお父さんだなぁ。
「青子ちゃんのお父さんなら、キッド捕まっちゃいそうだね」
クスッと笑って耳打ちすると、青子ちゃんはエッヘン、といった感じで胸を張った。
「でしょ!?キッドなんて、お父さんに掛かれば一発で捕まっちゃうんだから!」
「はぁ?キッドがそう簡単に捕まる訳ねぇだろ!」
青子ちゃんの一言に、黒羽くんは反論する。
今にも掴みかかりそうな二人に、思わず笑みが零れた。
「ふふっ……二人って仲良いんだね」
少しだけ痛む胸をおさえて。
その痛みに、気付かないフリをした。
.
「わぁ……綺麗だね!」
「これがブラックダイヤモンド……素敵」
「Aちゃんに似合いそう!」
そう言うけれど、絶対青子ちゃんの方が似合うと思う。
そのキラキラとした笑顔には、同じように輝くダイヤモンドがとってもお似合い。
「てか、警備の人多くねぇか?」
不敵にニヤリと笑う黒羽くん。
あ、なんかこの顔……好きかも。
「ホントだ……これなら間違いなく捕まっちゃうね!」
青子ちゃんが黒羽くんを見て嫌味っぽく言った。
「んな訳ねぇだろ!」
その二人の顔を見ると、目の前のダイヤモンドのように……
心の奥底が真っ黒く塗りつぶされるような気がした………
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華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時