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窓から飛び降り、私の前に跪くキッド。
「これで三本目ですね」
彼の手には一輪の赤い薔薇の花が咲いていた。
「……え?」
三本目って……キッドに貰った薔薇の花は、これを合わせて二本のはず。
ニヤリと不敵に笑うキッドの顔を見て、江古田高校に転入した日のことを思い出した。
『俺、黒羽快斗ってんだ!よろしくな!』
『マジックができるんだ!すごいね!』
たしか、そのとき快斗に貰った花も─────……
.
「三本の薔薇の花言葉はご存知で?」
キッドの声ではっと我に返る。
ええっと、三本の薔薇の花言葉……?
花言葉にはあまり詳しくないんだよなぁ……
「『愛しています』『告白』………」
「ご名答。流石といったところだな」
私ではないその声に振り向くと、本物の名探偵のように眼鏡を光らせるコナン君の姿があった。
「やっぱりな。オメーの狙いは
コナン君の推理ショーを静かに聞くキッド。
その推理の中に度々出てくる私の名前に、情けなくもドキリとしてしまうのであった。
「Aさんは青い瞳に金色の髪という特徴的な容姿をしているからな……」
何度聞いたかも分からないその言葉。
周りの人とは全く違う容姿に、幼い頃は何度も"普通になりたい"と願っていた。
「それに予告状が次郎吉さんでも警察宛でもなく、Aさんのポケットに入っていたことも合わせると」
小さな名探偵はそこで一度言葉を切り、まるで獲物を見つけた百獣の王のように不敵に笑った。
「『青と金の宝石』はAさん以外の何ものでもねぇってことだ!」
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華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時