20 ページ21
私のすぐ目の前まで歩み寄ってきたキッド。
ニヤリと笑うその顔に、ドキリと胸が大きく波打つ。
ポン
彼の手に一輪の赤い薔薇の花が咲いた。
「どうぞ」
この赤い薔薇……江古田高校に転入した日、快斗に貰った薔薇と同じだ。
そして彼は、ゆっくりと跪き──────……
私の右手を掬い、手の甲に優しく口付けた。
顔が真っ赤に染まっていくのが分かる。
こんなこと、今までされたこと無かったから。
「キッド……!」
コナン君の声で我に返る。
キッドの行動に思わずドキリと心臓が鳴ってしまったけれど、私が好きなのはキッドではなく快斗だ。
「それでは………次の満月の夜、またお会いしましょう」
「ッまて!」
そう言うと、彼は漆黒に染まった空へと飛び立って行った。
「クソっ……!」
コナン君の声と同時に、警察官がぞろぞろと屋上へ入ってきた。
その後屋上で先程の余韻に浸ってから、皆のいる大広間へと急いだ。
すると青子ちゃんと紅子ちゃんはそこにいたけれど、快斗はいなかった。
まだトイレから戻っていないそう。
快斗、キッドのファンなのに……
しばらくして快斗と合流し、満月の夜道を歩いて帰ることになった。
「もぉー、快斗ったらどこに行ってたのよ!」
不貞腐れる青子ちゃんに、快斗は「トイレだよ」と冷静に返す。
「随分長かったわね。混んでたのかしら?」
「……うるせ」
二人のやり取りにふふ、と笑っていると……
「……ん?」
ふと、今日着ているワンピースのポケットに、何か四角い物が入っていることに気が付いた。
「どうしたの?」
立ち止まって恐る恐る出してみる。
……すると。
───────中には、長方形の真っ白いカードが入っていた。
146人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時