オーエル (ページ39)

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和「今日はね～店に来たおばさんがね～花くれたんだよね」

「....」

和「会社来る前に花屋で見つけたんだって」

「...」

和「赤いお花、なんて名前だったっけな～」

「....」

私はなにも言わないのに、にのは1人で勝手に喋り続ける

和「だめだ思い出せねぇ」

「.....」

和「でも花言葉は覚えてんだ」

「........」

和「誠実」

にのは一体何の話をしてるんだろう

和「そのおばさんね、俺のこと超好きなの息子みたいに可愛がってくれんだよね」

「.....ふぅん」

和「その人がね？その花くれるとき言ったの、
花は見る人を慰めて何も見返りを求めないって。優しいの。人間もそんな風になれたら素敵よねーって」

にのは一体.....

.

和「だいじょーぶ？」

.

「....?」

ゆっくり顔を上げると、前に立つにのと目が合った

そっか、心配してくれてたんだ

和「へんなかおー」

「うるさい」

目の前にしゃがみ、椅子に座ってる私よりも彼の目線が低くなった

大丈夫

今までもあったから

ぼーっとしていれば、このどうしようもない不安もだんだん薄れていくの

そして忘れた頃にまた.....

和「うちの潤くんがねぇ気にしちゃってんのよ」

.....うちの

和「あいつなんかあったの？って俺らに聞いても分かるわけないのにさ(笑)」

「...」

和「潤くんがみんなに聞くもんだから他の人も心配しだしちゃって」

「.....」

和「俺も心配になっちゃって」

心配されるほどのことじゃないの

この症状は、消えない、消せないの

消す方法はただ一つ、、、、、

和「しょーがないなぁ」

「....？」

もう一度彼をチラッと見ると、

和「すーーーーーーっ」

え、なに

急に唇を突き出し思いっきり息を吸う

和「はぁーーーーーーーーーー」

と思ったら大きく息を吐いた

和「はい、今超特別に俺の幸せをあげました！」

潤 “幸せもーらい”

潤くんの言葉を思い出す

そっか、今のため息は私に幸せのおすそわけをするための大きな大きなため息だったんだ？

いつもなら、バカにしてる？って怒るとこだけど

「ふっ(笑)」

和「あ？お前人の幸せ貰っといて何吹き出してんだよ返せ」

にのの不器用な優しさが今の私にはすごく嬉しかった